ザイム真理教
このことこそが、私が近著『ザイム真理教』で指摘した日本の財政政策の最大の問題点なのだ。岸田総理は総理就任後、財務省に籠絡され、ザイム真理教の信者になってしまった。
ザイム真理教の最大の教義は、歳出を税収の範囲内に収める「財政均衡主義」と、消費税率を少なくとも25%まで上げ続けるという「消費税増税主義」だ。消費税減税は、たとえ一時的であっても、この教義に反するので、検討すらできないのだ。
消費税法には、消費税は社会保障目的に使うとは書いてある。ただ今年度予算で見ると、社会保障関係費が37兆円に対して、消費税収(国税分のみ)は23兆円しかない。足りない分は、消費税以外からつぎ込まれている。
だから、消費税を減税しても、他の資金で穴埋めをすればよいだけの話であり、消費税を減税したら社会保障を削減しなければならないということは、まったくないのだ。
私は、むしろ消費税を社会保障目的と位置づけること自体が大きな問題だと考えている。年金にしろ、医療にしろ、社会保障費の大部分は、社会保険料で賄われている。それを消費税に切り替えたら何が起きるか。
第一の問題は、企業が社会保険料を負担しなくなるということだ。社会保険料の多くは、労使が折半で負担している。ところが消費税は消費者が負担する税金だ。企業は一銭も負担しない。
第二は、消費税には逆進性があるということだ。収入に対する税負担は、低所得層ほど高くなっており、収入比例の社会保険料よりもずっと低所得者に厳しい。
そして第三の問題は、富裕層がほとんど負担しないということだ。富裕層は、ほぼ例外なく自分の会社を持っている。そして、彼らが使うクルマも、ガソリン代も、旅行代金も、飲食費も、ゴルフ代も、基本的には経費で落とされる。
経費に含まれる消費税は仕入れ控除の形で戻ってくるので、富裕層は事実上ほとんど消費税を負担していないのだ。
社会保障費が拡大するなかで、その財源は幅広い主体で負担すべきだ。ところが、企業や富裕層が負担しない消費税は、最悪の社会保障財源と言えるだろう。














