チューリップバブルはなぜ起きたか
経済の世界でも同じことが起きている。この200年間で、世界では70回以上のバブルが発生している。バブルは必ず崩壊し、その後に残されるのは荒廃した経済だ。
2008年9月に発生したリーマン・ショックも、いまから振り返れば、アメリカの投資銀行が中心となって作り出した巨大な金融バブルの崩壊だった。それから数年間、世界経済は立ち上がれなかった。
世界で最初のバブルと呼ばれているのが、1630年代にオランダで起きたチューリップの球根バブルだった。球根への投機が始まり、やがてその値段は現代の価値で数千万円に達した。人々は利益を求めて、銀行から借金して球根に投資し続けた。
そしてバブルが崩壊し、人々のもとには価値を失った球根と莫大な借金が残った。オランダに破産者が溢れたのだ。それでも、人々は反省しない。100年後、オランダではヒヤシンス・バブルが発生する。世代が入れ替わって、記憶が薄れてしまったからだ。
球根にとんでもない値段がついていれば、普通はおかしいと思うはずなのだが、そうはならない。バブル研究に生涯を投じたガルブレイスは、その理由を、人々がユーフォリア(陶酔的熱狂)に陥るからだと分析している。
一度、ユーフォリアに陥ると、人間は、なかなか他人の声に耳を貸さなくなる。「いまはバブルですよ」という警告が、耳に届かないのだ。だから、どんどん極端なところに走ってしまう。
それでは、ユーフォリアに陥らないためには、何をすればよいのか。ガルブレイスは、バブルが発生する前提条件の一つに、「情報の遮断」を挙げている。普通の人が見て、普通におかしいことはおかしいのだと伝えることができれば、バブルの発生は防げるのだ。
不戦の誓いも同じだ。冷静に考えたら、戦争をしてはならないという主張に反対する人は誰もいないだろう。右派の人、主戦論を唱える人も、一様に平和の大切さを口にする。
ただ、平和の守り方に意見の違いがあり、明らかに誤った議論もなされている。だから、どのようにすれば平和を守ることができるのかを、常に考え、話し合い続けることが、平和への王道なのだ。
そこで、日本の平和を守るために、いまどうしたらよいのかを冷静に考えてみよう。太平洋戦争の後の日本は、他国に侵略されることも、他国を侵略することもなく、平和が続いた。
平和憲法のおかげで他国を侵略することは許されなかったし、日米安全保障条約のおかげかは断言できないが、日本を侵略する国はなかった。平和憲法+日米安全保障条約という戦後のシステムは、結果的には、有効に機能してきたと言えるだろう。
ところが、最近になって「戦後レジームの転換」を主張する人たちが増えてきた。戦後の安全保障の枠組みを変えようというのだ。もし彼らが「もう戦後70年も経つのだから、米軍に守ってもらうようなことは止めて、自分たちの軍隊を持って日本を守ろう」と主張するなら、それは一つの見識だ。
もちろん私はそうした考えに賛成しないが、筋道は通っている。














