現金は「福沢諭吉」の顔が印刷された旧札で「1億円以上」にものぼる
前出の少年が説明するには、事の発端は以下のようなものだったという。
「今年の5月ごろのことだったと思います。遊び仲間の友だちから『廃墟にお金が落ちていた』という話を聞いたのは。最初は肝試しのつもりで入ったらしいんですが、建物の中で壁を面白半分に壊したらそこから古い1万円札が大量に出てきたらしいです。で、『あそこにお金が落ちてるよ』って話が仲間内で回って、みんなが集まるようになったってことらしいです」
少年の証言などによると、廃墟に残されていた現金は「福沢諭吉」の顔が印刷された旧札で「1億円以上」にものぼるとされ、なかには数百万円も持ち去った者もいた。
集まる少年たちの数も徐々に増え、廃墟に20人ほどが出入りするようになるまで事態はエスカレートする。少年たちが廃墟に夜な夜な集う様子は、近隣住民の目にもとまるようになり、警察の捜査によって多額の現金が眠る廃墟の実態が露見することになったのだという。気になるのは、それほど多額の現金を少年たちは一体何につかっていたのかということだ。
「新車でバイク買ったり。18金のアクセ買ったり。免許はあるかって? もちろん無免だからバイク屋とかで普通には買えないよ。だからネットの個人売買で買うわけさ。薬物につぎ込んでるヤツとかもいた。バツ(合成麻薬・MDMAの隠語)とかチャリ(コカインの隠語)とか。あとは笑気麻酔とか」(前出の少年)
ここでいう「笑気麻酔」とは、5月から指定薬物として取り締まりの対象になった麻酔薬「エトミデート」のことを指す。痙攣して体の自由がきかなくなったり、意識障害を引き起こすとされるこの薬物。手足の自由が奪われ、ゾンビのような動きを見せる乱用者の様子から、中国や台湾で「ゾンビたばこ」と呼ばれており、2024年末から今年初めごろにかけて沖縄で急速に出回った。













