認知症の方が入居するメリット・デメリット

認知症をもつ方が、施設に入ることで認知症の症状が進んでしまうことを「リロケーションダメージ」といいます。これを恐れて、施設への入居に踏み切れないというご家族も少なくありません。

しかし、このリスクは、施設スタッフの対応やご家族のサポートで最小限にできるのです。例えば、短期間老人ホームに宿泊する「ショートステイ」から始めることで、少しずつ環境に慣れていくことができます。

また、入居時に壁掛け時計やフォトフレーム、食器など、自宅で愛用していたものを持ち込むことで、不安を和らげることができます。そして、入居後も家族が定期的に訪問することでご本人が安心できるようにし、環境への適応をサポートすることも大切です。

一方で、実は、施設入居が好影響をもたらすことも少なくありません。というのも、施設では生活リズムが整えられ、十分な食事やケアを受けることで身体状態が改善することがあります。

認知症の症状は身体状態の悪化が原因の場合もあり、結果として、認知症の症状の進行が緩やかになることがあるのです。

また、施設内での交流や活動が刺激となり、精神面や行動に良い変化をもたらすことも。認知症の症状によって施設入居を諦めている方も、まずは一度施設に相談してみてください。ご本人とご家族、双方の負担を軽くして、より良い生活を実現できるはずです。

文/小菅秀樹 マンガ/マサまさる

伝説の相談員が教える幸せになれる老人ホーム探し ~マンガでわかる高齢者施設~
「LIFULL介護」編集長・小菅秀樹 (著), マサ まさる (著)
伝説の相談員が教える幸せになれる老人ホーム探し ~マンガでわかる高齢者施設~
2025/7/25
1,760円(税込)
176ページ
ISBN: 978-4834254020

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ケース2 同居イコール親孝行じゃないの? 家族の役割と「続けられる介護」とは
ケース3 「安さ」で選んだはずなのに……お金が足りない!? 高齢者施設の費用の仕組みとは
ケース4 「人生の最期はふるさとで」がベストですか? 老人ホームの立地問題
ケース5 老人ホームなんて、どこも同じでしょ? 見学の重要性と見るべきポイント
ケース6 娘だからって、自宅介護しなきゃいけないの? 退院までに急いで探す時の注意点
ケース7 施設のご飯なんて、どこも同じでしょ! 軽視しがちな「食事」が実は重要な理由
ケース8 お金がないから、特養しか無理ですよね……? 特養と有料ホームの違い、入居待ちの選択肢とは
ケース9 老人ホームなんて誰が入るか! 入居拒否の乗り越え方
ケース10 仲良し夫婦だから、一緒に入居したい! 夫婦部屋の注意点と「老老介護」問題
ケース11 元気なうちに探す終のすみか、後悔しないポイントは? 自立度が高い人の施設探しのコツ
(他、コラムや付録などを収録)

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