減税政党による政権交代の実現を目指すべきだった
また、足立康史氏のような何度も懲罰動議を受けた元維新議員も本当に必要だったのか。日本維新の会からお払い箱になった人物ではなく、維新現執行部に干されている前執行部を引き抜く努力をすべきだった。在野にも有力な元維新議員は他に幾らでもいるはずだ。
薬師寺道代氏は元々みんなの党から自民党に移った人物で、インパクトに欠けた。それならば旧みんなの党党首であった渡辺喜美氏などを復活させる、または自民党から積極財政主義者を引き抜くなどをしたほうがインパクトがある。
国民民主党執行部が上記の4名を選ぶのではなく、政界再編のために汗をかけば、参議院議員選挙前に野党第一党を狙える位置につけられたことは確実だ。国民民主党が一時的に有していた政党支持率があれば、政界再編を仕掛けることはできたはずであった。
では、なぜ、このような動きに出なかったかと言えば、それは政権交代の勢いがある野党第一党を作るのではなく、国民民主党執行部が自民党と密室で再交渉するスタイルを続けたからだろう。
国民民主党がやるべきであったことは、日本国民のために覚悟を決めて、減税政党による政権交代を実現する方向を目指すことであった。すでに国民民主党がそれを実現できる芽は小さくなっているのではないか。仮に参院選後に台頭する新勢力があったとすれば、同党の失敗を肝に銘じてほしい。同じ間違いを繰り返してはならない。
文/渡瀬裕哉