投稿者の行為は「企業テロ」か?

この事件を受け、ネット上では「企業テロだ」との声もあがっている。かつて「企業テロ」といえば過激派による爆破事件などを指したが、今ではたったひとりの客が“承認欲求”を満たすためにした行為が店に大きなダメージを与える時代となった。

思い起こされるのは、2023年の「スシロー迷惑動画事件」だ。少年が店内の醤油差しや湯呑みを舐めた動画が拡散され、回転寿司業界全体のイメージが大きく低下した。

この件でスシローの親会社「FOOD&LIFE COMPANIES」の株価は約170億円分も暴落。回転レーンの使用停止、卓上調味料の撤去など、業界全体が大きな打撃を受けた。

「『あきんどスシロー』は迷惑行為の実行者である少年を刑事・民事の両面で追及し、結果として器物損壊罪で書類送検されました。

さらに6700万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴。結果的には半年後に調停が成立して不起訴となりましたが、その過程でネット上では少年の名前や通っている高校まで晒されてしまい、一部報道では自主退学に至ったとも言われています。

なかには少年の父親が泣きながら取材に答えたり、母親はすっかり痩せ細ったという記事も見受けられました」(地方紙記者)

この一件を機に、飲食店でのモラルと法的リスクへの意識は格段に高まった。

今回のくら寿司の件について前出・地方紙記者はこう続けた。

「たとえこれが嘘の情報だとしても、このような虚偽情報の拡散は偽計業務妨害に該当しかねない。お皿や投入口など店舗設備を汚した場合には、器物損壊罪が問われる可能性も十分にあります。過去には逮捕され、威力業務妨害罪で起訴されたケースもありました」

ちょっとした悪ふざけのつもりでも、法を突き詰めていけば「冗談では済まない」ことが多々あるのだ。

悪質な迷惑行為は、企業だけでなく社会全体から“犯罪者”として裁かれることもあることを、誰もが肝に銘じなければならない。

取材・文/千駄木雄大