「オモチャ・クリニックの巻」(ジャンプ・コミックス44巻)
今回は、お婆ちゃんがやっているパン屋で、両さんが昭和のお宝玩具を発掘するお話をお届けする。
本作に登場するパン屋の屋号は「高岩パンの店」。
コンビニ普及以前の時代、通勤途中に餡パンを牛乳で流し込んで朝食にする独身男性や、腹を空かせた部活帰りの学生にとっては、こういう町に根づいたお店は、心強い存在だった。
また、「パン屋」や「駄菓子屋」の多くは、煙草、玩具、ちり紙のような日用品までを手広く扱う、いわばコンビニの前身のような役割を担っていた。
コンビニとは絶対的に異なる点をひとつ挙げるとすると……。それは個人商店であるがゆえに、商品の在庫管理が完全に店主自身の判断に委ねられているということだ。それゆえ、こういった店の軒先やバックヤードには、ビンテージな玩具が発売当時のままで残っている、なんて時代があったのだ。
だがそれに気づいたマニアや転売屋が、本作での両さん以上に悪辣な手段で店を荒らしてしまい、現在ではそういったことはまず見かけなくなってしまった。
まれに、駄菓子やジュースといった口に入れるものまで「いったいいつから店にあったのかわからない」なんてこともあったりするのだが……ご愛敬といったところだろうか。
それでは次のページから、時間の止まったパン屋からお宝オモチャがザックザク! なお話をお楽しみください!!