「セクシー女優さんは“見せていい人”という意図を感じた」

エイトマンには一体どんな経緯でNHKから撮影依頼が来たのだろうか? 代表は「詳しい経緯は話せないが」と前置きをしながらこう話してくれた。

「NHKさんは数あるAV事務所の中からエイトマンを選んでくれました。女優の指名は特になく、キャスティングは任せてもらえたんです。最初は実は遺体役は嫌やなあって思ったけど、視聴者の皆さんが“NHKが攻めてる!”とか“本気を感じる”と盛り上がってるのを見て、こんなに多くの方が本気を感じる作品に加われたことはなによりやと思いました」

台本を手に笑顔を見せる3人
台本を手に笑顔を見せる3人
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ただ一方で、NHKドラマに詳しいライターの田幸和歌子氏は、この話題のシーンにこんな違和感も覚えていた。

「4人の遺体のシーンでは、元宝塚歌劇団の愛希れいかさん演じる朝顔の臀部を隠すようにセクシー女優さんが折り重なって転がされていました。まるで愛希さんは“見せちゃいけない人”で、セクシー女優さんは“見せていい人”というような意図を感じてしまいました。その待遇の格差や、脱ぐ役としてセクシー女優を起用した意図にグロさを感じてしまいました」

理不尽な格差や搾取を描くドラマだからこそ、その表現や演出自体に理不尽な部分が出てくると、観る側は違和感を覚えてしまうものだ。だからこそ、賛否両論のあるシーンだったのかもしれない。

取材・文/河合桃子  集英社オンライン編集部ニュース班