「犯人はあいつしかいないだろ」と言われていた

2004年9月、岡山県東部の津山市の民家で小3女児が刺殺された事件で2018年5月、岡山県警捜査1課は勝田容疑者を殺人容疑で逮捕した。

下校中の女児の後をつけて自宅に侵入、首を絞めたうえ胸や腹などを刃物で刺して殺す異常な犯行だった。

「この事件の取り調べでも明らかになった『少女が苦しむ姿を見ると興奮する』という性癖が、勝田容疑者がシャバにいる間、兵庫県西部から岡山県東部にかけて頻発した事件のキーワードでした。

2015年の姫路市の殺人未遂事件の公判で勝田は、『少女が血を流したり激痛に苦しむ姿に興奮を覚え、帰宅後に自慰にふけった』『自分の腹を刃物で刺して血を出し、少女の流血を想像して興奮した』などと証言し、自傷が勢い余って入院するほどのケガを負ったこともあったようです。

岡山県警はこうした勝田の性癖に注目、兵庫県警からの情報提供も生かして発生15年目にして小3女児殺害事件を解決しました。当時から今回の加古川やたつのの事件に勝田が関与していた可能性は指摘されていましたから、兵庫県警としてはようやく一矢報いたというところでしょう」(社会部事件担当デスク)

中学時代の勝田容疑者
中学時代の勝田容疑者

父親は兵庫県警の警察官、母親は県警の職員という家庭に生まれ育った勝田容疑者にとっては、皮肉とも因果応報とも表現しようのない帰結だが、そんなことは被害者やその関係者にとっては何の関係もない。

♯3で証言を寄せた幼馴染は少年時代の勝田容疑者とその家庭について、「本人は物静かで、家庭も普通というより優しい家庭」と回顧した。

しかし、一方で「当時の同級生の間では、今回の事件に関しても『犯人はあいつしかいないだろ』と言われていた。小さい女の子にあんな酷いことをできるやつが世の中にいっぱいいてほしくないとみんなが思っていた」と胸中を明かしていた。

勝田容疑者は逮捕前の任意聴取で、「防犯カメラのない場所を選び、事件前から女児を物色していた」「小柄で抵抗されにくい、好みの服装をしている女児を尾行して刺した」と供述していたが、逮捕後は黙秘をしているという。

シリアルキラー、勝田州彦。鬼畜の手で無念の死を遂げた少女たちが、天国で幸せに暮らしていることを祈るしかない。

殺害された柚希ちゃん
殺害された柚希ちゃん
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班