立証が難しい痴漢・盗撮事件
その一方で、痴漢の被害者の多くが泣き寝入りしているという事実もある。立件するにはどれくらいの証拠が必要なのか。また、今回のケースはどのようなパターンだと考えられるのか。
「盗撮であれば相手のスマホに映像があるなど、痴漢であれば周りに目撃者がいた、痴漢の手に被害者の衣服の繊維が付着していたなどの物証が必要となってきます。時間が経てば経つほど曖昧になり、また証拠隠滅なども含めて立証が困難になります。
ただ今回は、加害者が『示談金を払った』などと自身が犯行を行ったことを認める証言をしておりますので、立証は可能かと思います。再捜査を要求し、民事でも慰謝料や損害賠償請求をされることも可能です。撮影罪が新設されて盗撮の罪も重くなりましたが、それでも再犯を止めるほどの効果はありません。
被害者が増えないように、今回の女性の方にはぜひ、警察に再捜査を求めていただきたいです」
立証が難しいといわれる痴漢・盗撮事件。もし犯行現場に立ち会ったとしたら根気強く罪と立ち向かう必要がありそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部