「新スポーツ宣言の巻」(ジャンプ・コミックス160巻収録)

今回は、短時間で勝敗がつくように、テレビ局がさまざまなスポーツのルールを改定してしまうお話をお届けする。

両さんいわく、「視聴者は一刻も早く勝敗の結果を知りたいはず」。本作が描かれたのは2007年だが、昨今のZ世代の価値観やライフスタイルを予想しての発言なのだろうか?

音楽や映像、漫画をはじめ、さまざまな情報を早送りしつまみ食いし、短時間でてっとり早いことを至上とする「タイムパフォーマンス」=「タイパ」重視が、スポーツにまで求められるようになっているのは、周知の事実かもしれない。

だがそこには、試合運びの戦略や一進一退の手に汗握る展開を楽しむというスポーツの醍醐味は、はたして残っているだろうか。

そして、本作におけるテレビ局による時短化の推進は、放送時間の短縮によるコンテンツの不足と、放送を支えるスポンサー料の減少を生むことになるような気がするのだが……。

テレビという旧メディアと現代の「タイパ」至上主義とは、あまり相性がよくないようだ。

それでは次のページから、タイパ志向の現代にこそ読んでみたい時短スポーツの数々を、たっぷりとお楽しみください!!