アメリカ大統領選で重視される身長

ネット上で身長を気にする声がいくつかあがっていたが、確かにG7など首脳会議で各国のトップが横並びになるシーンは象徴的であり、世界各国で放映される。

平均身長が高い海外の国の首脳と並んだ際に、高身長の石破氏なら見劣りしないかもしれない。

官邸内での記念撮影(石破氏SNSより)
官邸内での記念撮影(石破氏SNSより)

また、アメリカでは実は、身長が高いほど大統領になるのが有利になるという法則も長年言われ続けている。

大統領選の頃になると、アメリカでは「候補者の中で誰が一番大きいのか?」という記事が出回るほどだ。

さらに2023年10月には、大統領選挙の共和党候補指名争いに出馬しているフロリダ州のロン・デサンティス知事が、シークレットシューズで身長を高くしていると指摘する記事が拡散。

中には、わざわざ靴の専門家にコメントを求めて、知事のシークレットシューズ疑惑を追及する記事まであった。

また、現在大統領選挙で争いを繰り広げている共和党候補のトランプ前大統領は、民主党候補のハリス副大統領が討論会で踏み台を使わないように牽制し、身長約190cmの自身と、約165cmのハリス氏の差を存分にアピールしようとしている。

日本では身長が高いほど有利だという論調はそれほど聞こえてこないが、総理大臣と身長にはどのような関係があると考えられるのか。

社会科講師で、『アイム総理 歴代101代64人の内閣総理大臣がおもしろいほどよくわかる本』の著者、伊藤賀一氏に話を聞いた。

「首相が高身長であることは、戦前なら不利、戦後なら有利という傾向があるかと思います。戦前の場合、180cmと当時としては超長身の大隈重信は、生来の超お喋りもあり官僚・政治家内では『威圧的で嫌なやつ』扱いされることが多い人でした。

それは他の長身首相も同様で、陸軍内での田中義一、貴族院内での近衞文麿、海軍内での米内光政も、(元の性格や出自もあるでしょうが)大して人望があったとはいえません。

外遊も少なくVIPの訪日も少ないドメスティックな環境、特に(身長にこだわりがちな)男性しかいない上司・同僚・部下に『見下ろしやがって』などと嫉妬されるのは面倒なことでした」