Vライバーの活動開始後、最初の1ヶ月で500万円稼ぐ

──きゃべつさんは現在29歳とのことですが、いつからVライバーとしての活動を始めたのでしょうか?

きゃべつ(以下同) 2023年3月からですね。実は、もともと学校を卒業してから、3年間ほど看護師として働いていたんです。勤務先は大学病院の整形外科病棟だったのですが、患者さんを車椅子からベッドに移動させることが多くて、ぎっくり腰を発症してしまったんですよ。そこからけっこうメンタル的に落ち込んでしまって、「これはあと40年も働き続けられないな」「体を使った仕事はやめよう」と思い、退職しました。

看護師を辞めてからは、ちょうど「インスタグラマー」という言葉が流行り始めた時期だったので、SNSと広告を掛け合わせた会社を起業しました。いろんな企業案件をカバーして、それなりに利益は出せたのですが、共同創業者だったということもあり、仕事を進めていくうちに自分が考えている将来と会社のビジョンにズレが生じてきてしまって。その会社からは離れることにしました。

それからも新しい会社を起業し、SNSを主軸としたWebマーケティング、Web3領域や仮想空間(メタバース)の開発にも会社として事業展開をし、さらに新しい事業領域を模索していました。SNSを使って何かしたいと思ったのですが、「今からYouTubeを始めるには、ちょっと遅いし、難しいな」と。
TikTokも流行っていたのですが、それも自分の性には合っていないと感じたんです。そんなときに、「『TikTok LIVE』っていうのがよさそう」っていうのを耳にして。配信市場は新型コロナウイルスの蔓延をきっかけにグッと伸びましたが、今はそれを超えるほど流行っているというので、始めてみることにしたんです。

インタビューを受けるVライバー・きゃべつ氏
インタビューを受けるVライバー・きゃべつ氏
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──なぜ顔出しをしない「Vライバー」として配信しようと思ったのでしょう?

「TikTok LIVE」を見ると、全員顔出しをしていて、既視感のあるライブ配信ばかりだったんですよ。でも、私はすごくイケメンなわけでもないし、「顔出しをして売れる」というイメージが持てなくて。一方で、顔出しをせずに、画像だけで配信している人も少しだけいたんです。「あ、これでも成立するんだ」と考えたら、自分も顔出しをしないという選択肢を思いついて。配信者の99%が顔出しをしているなか、「顔出しをしない」というジャンルで客を取りにいこうと戦略的に考えました。

ただ、それで人気が出るかどうかは、正直手探りでした。それでも、開始してすぐに数百万円稼げちゃったんですよ。最初の1ヶ月で、もう500万円とか。しかも、そのときはまだアバターを使っておらず、「きゃべつくん」の画像だけで配信したので、「アバターを使って本格的に取り組んだら、もっと人気が出るんじゃないか」と。

配信アプリの中には、アバター専用のものもあるんですよ。つまり、顔出しをしないアバター配信にも需要がある。しかも、TikTokはユーザーが多くて、経済圏も大きい。なので、ここを本気で取りにいこうと決めたんです。

きゃべつ氏が配信で利用しているアバター
きゃべつ氏が配信で利用しているアバター