早くも小池氏にじわじわと差を広げられ…

そんな小池氏の目論見通りか、蓮舫氏は出馬表明会見からの2週間ですでに、失速しているとの見方が永田町では強まっている。

出馬表明直後には、共産党が蓮舫氏の都知事選出馬を大々的にPRするビラを作成し、配布。他の野党から「(蓮舫氏や共産党とは)ご一緒できない」(国民民主党・榛葉賀津也幹事長)などと突き放されたが、連合東京も小池氏の支援に回る方針だ。

さらに、6月2日の街頭演説で蓮舫氏が「七夕に予定されている東京都知事選に蓮舫は挑戦します。みなさんのご支援どうかよろしくお願いします」、枝野幸男前代表が「みなさんの力で知事に当選させていただきたい」などと訴えたことが、公職選挙法で禁じられている告示前の事前運動にあたるのではないかとネット上や国会で指摘された。

街頭演説を行う蓮舫氏(本人Facebookより)
街頭演説を行う蓮舫氏(本人Facebookより)

その翌週の演説では「東京都のために仕事をしていきたい」「夏の挑戦を言わせていただいた」などと、「都知事選」というワードを封印。記者団から2日の枝野氏との街頭演説が事前運動にあたる可能性を指摘されると「政治活動の発言です」と述べるにとどめた。

「一連の事前運動疑惑で蓮舫氏は身動きがとりづらくなった。自身が批判するときは威勢がいいが、批判されると弱い、という面を露呈しました」(全国紙政治部記者)

こうした影響もあってか、「蓮舫氏の出馬表明前に立憲が実施した調査では、小池氏と蓮舫氏は10ポイント差で、蓮舫氏は逆転可能な差と認識していました。ただ、その後は小池氏と蓮舫氏の差が開いてきているようです」(立憲関係者)と、苦戦を強いられているようだ。

さらに蓮舫氏は小池氏の「かぶせ作戦」を警戒しているとか。

「小池氏は政党に準じた選挙活動が可能となる確認団体『東京をもっと!よくする会』を設立しましたが、これは蓮舫氏が発していた『東京はもっとよくなります』という言葉とかぶる形になりました。

蓮舫氏は公約についても、小池氏から後出しじゃんけんのような形でかぶせられて、かすむことを警戒し、異例となる告示日当日の発表を予定しています。小池氏の動きを気にして、思うようなPRができていない状況です」(全国紙政治部記者)