「夜に娘と顔を合わせることもほとんどなかったから…」
それでもA子は高校に進学したが、長続きはしなかった。
「高校は2年生のころに中退しました。その後は、いろんな仕事を転々としてたらしいけど、私も細かいことは聞かないから、ファーストフード店でバイトしてたことくらいしか知らないの。
高校を辞めたころから、A子はだんだんとヤンチャっぽい子たちとつるむようになった。それこそ家に男の子の友達を連れてくることも多くて、腕に入れ墨を入れた子も見かけたことがある。
でも、今回の事件で逮捕された16歳の子とか、内田梨瑚なんて子の名前は聞いたことないね。そもそもずいぶん前から、A子はめったに家に帰ってこなくなったので交友関係とかよく知らないのよ」
困惑しながらも、母親は娘に対する思いをこう振り絞った。
「でもね、A子はずっと寂しかったんだと思うよ。あの子が小学生のころに私は旦那と離婚して、仕事ばかりで家にいるときは寝てばかりだった。ここ数年は、夜にほとんどA子と顔をあわせることもなかったから、やっぱり寂しさはずっとあっただろうし、申し訳ない気持ちはあるの。
どうしてこんな事件を起こしてしまったかはわからないけど、複雑な思いというか、やっぱり信じられないよね」
娘に対する親の思いの深さが伝わってくる反応だった。しかし、A子と内田容疑者に橋の上から冷たい石狩川に突き落とされた女子高生の遺族に思いを馳せれば、その重みは全く異質のものになる。
取り返しのつかない罪を犯した自覚に、21歳と19歳の女2人が打ち震えることがあるのだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班