「ブロックチェーン技術を使って、システム開発やサービス開発をしています」と聞くと、非常にかっこよく感じるものの、いったい何をしているのか想像もつきません。SF映画に登場するハッカーのように、大きなスクリーンに緑色の文字でコードを書いているのでしょうか……。
そんな素朴な疑問とおぼろげな想像を抱えて、ブロックチェーンを活用したシステム・サービス開発を手がける、株式会社アーリーワークスの門を叩くと、執行役員兼エンジニア、事業責任者の難波諒太郎さんが優しく教えてくれました。
ブロックチェーンの開発言語は「普通」でもサービス開発は「高難易度」
——難波さんは現在、どのような業務を担当していますか。
私は2018年に工学系の大学院を卒業後、ブロックチェーン技術に関するシステムを開発するエンジニアとしてアーリーワークスに入社しました。その後2021年に執行役員となり、現在はプロジェクトマネージャーとしてサービス開発に関わっています。
——ブロックチェーンを用いたサービスはどうやって作られているのですか?
難波(以下略)ブロックチェーン技術を使ったサービスは、他のITサービスと同じような開発言語を用いて作られています。特別な開発言語を使うわけではありません。
ただ、ブロックチェーンならではの利点を活かしたサービスを構築するためには、ブロックチェーン独自の概念を理解しておく必要があります。
——ブロックチェーン技術が活用された「よくあるサービス」は何でしょうか?
ブロックチェーン技術が活用されているものに「NFT(Non-Fungible Token)」があります。NFTとは本物であることが証明されているデジタル資産です。デジタルアートが一番身近なものかもしれません。NFTはブロックチェーンによって、それが「唯一無二のものであること」を示せることが特徴です。よってブロックチェーンはデジタル資産の所有者を明確にするためなどに利用されています。
仮にNFTを活用した「NFT作品」を作るだけなら、ブロックチェーンやエンジニアリングに関する深い造詣は必要ありません。画像やイラストなどをJPEGやpngなどの形式で作成するだけです。そしてNFT作品が売買できる「マーケットプレイス」にアップロードすれば、売買も可能になります。
しかしもし、こういったNFT作品を取引するマーケットプレイスを制作する場合には、ブロックチェーン技術を使って開発する力に加えて、決済周りなどファイナンスの知識なども必要です。また、NFTはもっとも有名なブロックチェーンの一つであるイーサリアムのチェーンを活用して取引されることが多いので、イーサリアムの「スマートコントラクト」に関する理解も求められます。
つまりブロックチェーン関連のサービスを開発するには、まずはブロックチェーン技術を用いた開発に対する知識やスキルがあること。その次に、サービスの構築に必要な知識やノウハウを持っていること。この2つが必要不可欠になりますね。