“恐怖のレッドストッパー”を先発起用
ドイツ同様、2010年南アフリカ大会で悲願の初制覇を果たしたスペインもまた、今大会の優勝候補であることは間違いない。
世界最高峰のポゼッションサッカーで、ショートパスを多用しポジションチェンジを繰り返す。相手守備をかく乱する戦術は超ハイレベル。『ライジングサン』の五輪準決勝・スペイン戦での「ボールの行方を追うだけでも目がくらくらしてきそう」というセリフが、スペインサッカーを象徴している。要注意選手を挙げればキリがないが、それよりもスペインのチーム戦術をいかに封じ込めるか、といった方向で作戦を考えてみたい。
ボールをつながれ、じりじりと後退し、立て続けにピンチを招く。そうならないためには、思い切って最終ラインを上げ、陣形をコンパクトにしてスペインの自由度を極力奪う努力が必要になる。
必然的に最終ライン裏には広大なスペースができるため、守備エリアの広い若島津健をGKに据える。4バックはライン統率力に優れた三杉の判断で、オフサイドトラップも併用しながら最終ラインを高く保つ。
CB三杉の相方にはイタリアでプレーし、欧州のサッカーが身に染みついている“恐怖のレッドストッパー”こと赤井止也を入れる。ラインを上下させ続ける細かな動きに対応する敏捷性を備えているのと、『ワールドユース編』の準決勝スウェーデン戦で見せたゴール前での身体を張った粘りはスペインにとっては嫌な相手になるはずだ。同じく粘りが身上の石崎も同様の理由で右SBに置く。
そして前線から積極的にプレスを仕掛けていく。新田、日向の2トップでチェイシングして2列目の翼と岬でさらにパスを限定。そしてボランチの松山、葵と最終ラインでボールを奪い切りたい。特に運動量が豊富な葵のところでボールが奪えるとショートカウンターにつなげることができる。