初戦は岬太郎、三杉淳、松山光の3Mがカギとなる!
世界最速でW杯本大会出場を決めた過去優勝4回のドイツは、今大会でも有力な優勝候補だ。伝統的な「フィジカルの強さ」と“ゲルマン魂”と怖れられる「メンタルの強さ」は健在。ヨアヒム・レーヴ監督からバトンを引継いだハンジ・フリック監督の下、好調を維持している。
脅威は前を向いた時の推進力と強度。狭い局面をワンツーで崩す足元の巧さもあれば、ダイナミックなサイドチェンジから局面を打開することもできる。競り合いにも強い。日本としてはこの圧倒的圧力への対抗を、最終ラインのみに頼ることは難しい。相手の前線に渡る前のボールの出どころも抑える必要がある。
そこでドイツ戦では3ボランチ、3バックを採用する。
ボランチは岬太郎と三杉淳、松山光。『GOLDEN-23』の五輪予選で評価された「3M」。五輪予選では縦の関係だったが、これを横に並べる。アンカーは戦術眼に優れた三杉に務めてもらう。ここで中盤からの攻撃の芽を摘みたい。
最終ラインには曽我佑二、次藤洋、井川岳人のCB3枚を揃える。比良戸中時代から「相手が強いほど燃える男」と評された次藤、じつは『ワールドユース編』で登場した「リアルジャパン」のメンバー候補でともに南米で鍛えられた「雑草コンビ」曽我、井川は屈強なフィジカルが特徴。また、ドイツの攻撃に耐えうる折れない心の持ち主でもある。井川は「弾丸ミドル」も武器になるのが心強い。
そして、日本ゴールを守るのは“SGGK”こと若林源三。小学生時代からドイツに渡り、その後ブンデスリーガでレギュラーを張るまでになった経験は、この試合でこそ活きる。3ボランチ、3バック、SGGKの3段構えで、壁をがっちり構成したい。
しかし、懸念点も残る。ドイツの2列目の両ワイドに君臨するセルジュ・ニャブリとリロイ・サネは得点力もある要注意選手だ。この両ワイドに3バックの弱点でもあるサイドからの突破を許すと怖い。そこで、WBに早田誠と若島津健を置く。
早田は本来左SBだが、東一中時代は「エース殺し」として名を馳せていた。その強気な性格をドイツの右サイドに入る欧州予選チーム得点王のニャブリにぶつける。右WBには若島津。GKとして培われた守備センスを、この試合ではFPとして活かしてもらいたい。