幻覚・幻聴があっても、ヨレない私のヤクザ道

――覚せい剤を断ち切るのは大変でしたか?

私は簡単にやめられました。きっとそもそも体に合わなかったんですよね。覚せい剤を見ただけでゲロ吐いちゃうこともありましたし。

西村さん 近影
西村さん 近影
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10代のときに、初めて覚せい剤をやって、髪の毛が逆立ったような感じがして、クスリが抜けたときに体がダルくて、何もやる気が起きなかったんですよ。だから、二度とやるもんじゃないとは思っていました。

ヤクザになってからは、ヤクザたるもの覚せい剤ぐらいやらないと格好がつかないと思い、常用していましたが……。結局、覚せい剤をやめると体が辛いので、それを消すためにやるって感じです。その繰り返しで、打つたびに後悔する、またやっちゃったって感じで。

幻覚や幻聴もバリバリで、中身はヨレヨレなんですけど、それもヤクザとして格好が悪いので、人前では出さないように努力していましたね。

――経験者として、街中で覚せい剤中毒者を見たらわかりますか?


すぐにわかりますよ。明らかに動きが変ですもん(笑)。それに絶対に目を合わせないし。

《後編》はこちら
「修羅場をくぐって来た私も“人生、終わった”と思った」日本で初めての「女性暴力団員」と認定された女がもっともヤバいと思った瞬間

取材・文/集英社オンライン編集部

『「女ヤクザ」とよばれて ヤクザも恐れた「悪魔の子」の一代記』 
西村まこ
2024年3月24日
¥1,870
240ページ
ISBN:978-4909979605
国が初めて「女性暴力団員」と認定した女の“最強伝説”
――そして恋愛、結婚、育児、更生への道

“突破者”と呼ばれたワシ以上の“じゃじゃ馬”が、
本物の“侠客”になった! -竹垣悟(元山口組系組長、現NPO法人「五仁會」代表)

私はあるとき、「女のヤクザっていないんだ」という事実を知ります。
刑務所内で「ヤクザの脱退届」を書いたときのことです。
「あんたが日本初だから、こんなに時間かかるんよ」と、いやみを言われました。

ケンカ、恐喝、拉致監禁、管理売春、シャブ屋(覚せい剤販売)などなど、
ありとあらゆる悪事を重ね、更生不可能と思っていた私も、
「五仁會」に出会うことで、更生し、人の役に立ちたいという思いにいたりました。
本書を読んでくださった方が、更生への道を進んでくださることを願っております。(「はじめに」より)
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