まるでイクラ+ウニ? タコの卵も超絶品
「(市場に)あれば毎日とかでも仕入れているのですが、まるっと1匹の状態はなかなか珍しいですね。ふだんはもっと大きいのが多くて、そのまま売れるような大きさのものはなかなかありません。サメはほとんど豊洲から仕入れているのですが、豊洲でも毎日はでないです。切り身用のアブラツノザメとかネズミザメ(モウカザメ)は時期によってコンスタントにでますが…。(激せま水産さんが買った)ニタリザメはまだウチでも3回くらいしか入荷していません」
こういった変わった海産物は主に誰が購入していくのだろうか。
「だいたいウチのX(@yoshiike_group)であげると、それを見た一般の人が、『取り置きしておいてくれ』と電話で問い合わせてくれたりします。業者の人よりも、一般の人が買っていくケースが多いですね」(滝口さん)
ちなみに取材日には、まるごとのサメはなかったが、「サメの心臓」なる品があった。
「サメの心臓は血抜きをすると刺身で食べることができます。血を抜くと臭みがなくて美味しいので、ごま油で揉んだり、生姜醬油で食べるのが美味しいですよ。結局はハツなので、炒めて食べるのももちろんいいです」(滝口さん)
吉池にはサメ以外にも変わった海産物が並んでいる。ヤツメウナギ、鬼シャコガイ、ヤガラなど。中でも今の季節のおすすめの変わった食材を聞くと…。
「ヤナギダコの卵とかが美味しいです。このまま中をあけて、つぶつぶをポン酢とかわさび醬油とかと刺身で食べられます」(滝口さん)
ヤナギダコの卵はイクラのような食感と、濃厚なタコの旨味が特徴で、味は若干ウニにも似ている。北海道では“たこまんま”という名前でも親しまれてファンも多く、イクラのように醤油漬けにして食べるのもメジャーな食べ方だ。
サメの心臓やタコの卵など、日本で手軽に手にいれることができるのに、食べたことのない食べ物は意外と多いものだ。人生経験の一つとして挑戦してみると、新たな美食の扉が開けるかもしれない。
取材・撮影・文/集英社オンライン編集部