岸田首相が言う立憲の歴史とは?

ここで岸田首相が持ち出した「歴史」とは、民主党政権時代の2009年7月に開かれた政倫審のことを指す。

当時の首相である鳩山由紀夫氏の資金管理団体の政治資金収支報告書に個人からの献金が記載されていることが発覚。政治資金規正法違反となる「虚偽記載」との指摘を受けたことで開かれたものだ。

鳩山氏は当時、政倫審への出席を見合わせており、この件を岸田首相は揶揄した形だ。言うまでもなく、野田氏は旧民主党の所属であり、同党が政権与党にあった時代に首相を務めた。岸田首相は「人のことを言えるのか」とばかりにチクリとやり返したわけである。

まるで、「悪夢の民主党政権」のフレーズを広め、民主党政権のネガティブキャンペーンを繰り広げて権力基盤を固めた安倍晋三元首相を彷彿とさせる“反撃”を見せた岸田首相は、さらにこう付け加えた。

野田佳彦元首相(本人Facebookより)
野田佳彦元首相(本人Facebookより)

「私はそれを決して非難しているわけではなくて、政倫審というのはそういうルールに基づいて行われるものだという風に認識をしてきた。このように思っている」

その後も、安倍元首相の亡霊が乗り移ったかのような「民主党ディス」を用いた反撃は続いた。

野田氏から岸田首相自身が、首相就任後も続けていた「勉強会」と称する事実上の集金パーティーについてとがめられた場面。野田氏は「法令上パーティーだ。そのパーティーを開いて勉強会と言い換えるようなやり方はごまかしだ」と指摘し、大臣規範に反すると岸田首相の政治姿勢をただした。

岸田首相は、「従来から答弁させていただいているように、総理就任前から続けている勉強会を引き続き、継続するというものだ」「大臣規範に対する政府の解釈だが、これについては、国民の疑念を招かない、これは各国務大臣が判断するというのが、従来の政府の答弁であった」と反論した上で、今度は野田氏にこうぶつけたのである。