譲渡会では1日2、3匹の引き取り手が見つかれば御の字

――近年、保護猫という存在が世間一般に知られるようになり、環境省自然環境局によると、猫の殺処分数は2013年の9万9671件から2022年は9472件と大幅に減っています。

我々のような保護猫団体の活動や、「猫をモノのように扱うのはいけないよね」という世論に変わってきたこともあって、10年前と比べると猫の殺処分数も10分の1以下まで減ってきました。

しかし、データ上では減ったように見えますが、身寄りのない猫はまだたくさんいます。今は保健所がよほどのことがないかぎり猫を引き取らなくなりましたし、保健所から「この子をお願いできませんか?」と連絡がくることもあって、我々の団体に年間400~500匹ほど届きます。

――そのうち里親さんが決まる猫もいるかと思いますが、現在、「ねこかつ」さんでは何匹くらい預かっているのでしょうか?

保健所で殺処分される直前の子や、ひとり暮らしの飼い主さんが施設に入って身寄りがなくなった子を引き取ったり、保護猫カフェやシェルター、「預かりさん」という一般家庭を含めて200~250匹の猫が暮らしています。

保護猫だった三毛猫(撮影/集英社オンライン)
保護猫だった三毛猫(撮影/集英社オンライン)
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――すごい数ですね……。

そうですね……。活動資金は保護猫カフェの収益や譲渡金などでまかなっていますが、今もシェルター等はキャパシティの限界がずっと続いていて、なかなか厳しい現状です。

――毎週末、譲渡会を開いていても、現状は変わらない?

人慣れしている子たちを集めた譲渡会でも、すべての里親さんが決まるわけではありません。1日で2、3匹の里親さんが決まれば御の字です。ましてやシャーシャー猫ともなると引き取り手を見つけるのがかなり難しく、ずっとここのカフェで暮らしている子も少なくありません。

――そのなかでの今回の譲渡会。うまくいくといいですね。

成功しても、シャーシャー猫が譲渡会で主流になることはないでしょう。それでも、今回の譲渡会で1匹でも多くの猫が優しい里親さんに出会えるのなら、やる意味はあると思っています。今後も定期的にシャーシャー猫だけの譲渡会を開いていけたらという気持ちです。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班