差し戻しから逆転無罪なら捜査当局にとって大問題
最高裁はこれらの点を見逃さずに高裁判決を破棄し、審理を差し戻す決定をし、2023年10月以降、差し戻し審が高裁でおこなわれている。
「差し戻された以上、顔の傷や佳菜子さんの精神状態に加えて、詳細な内容もしっかりと吟味せざるを得ません。例えば、布団にあった佳菜子さんの尿反応ですが、検察は首を絞められている段階で失禁したとの見立てですが、専門家の中には必ずしも命を落とすほどの窒息でなくとも失禁はしうると説明する人もいます。
だとすると、なかなか殺人だと立証するのは難しいかもしれません。そうなれば、捜査当局にとっては大問題で、長期間不当に朴被告を拘束していたことになります。ただし、検察だけでなく裁判所までもが一度はクロと判断した事件ですから、そう簡単に無罪判決ともいかないでしょう」(同)
発生時に生まれたばかりだった第4子も小学生になっており、朴被告の帰宅を心待ちにしているという。真相の解明が待たれる。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班