支持率1ケタ台も時間の問題?
しかし、その後の検察の捜査では安倍派だけでなく、二階派も派閥内で裏金作りをしていたことがわかり、12月19日には東京地検特捜部が両事務所への家宅捜索に入った。
それなのに安倍派だけが外されて、二階派の大臣が続投していることについては疑問の声があがり、安倍派からも「整合性がとれない」と反発の声が出ている。
検察行政を司る小泉龍司法務大臣は二階派への捜索を受けて、12月20日に派閥を離脱したが「辞めるのは派閥ではなく、大臣のほうではないか」(永田町関係者)との批判も根強い。
また、岸田首相自身が率いてきた岸田派においても、2000万円を超えるパーティー券の売り上げが不記載になっていたと報道されている。
岸田首相は12月7日に「信頼回復に向け努力しなければならない」と派閥から離脱することを表明したが、「責任逃れのために逃げているだけとしか思えない」(同)と辛辣な評価が多い。
NHKの12月世論調査では、岸田政権は支持率をさらに下げて23%と過去最低を更新した。同じく12月に実施された報道各社の世論調査では、時事通信が17.1%、毎日新聞が16%と2割を切っているものもある。
支持率10%台は政権交代直前の2009年の麻生政権と同水準で、いつ内閣が倒れてもおかしくない数字だ。
永田町関係者は「岸田政権は増税と言われたら減税政策を打ち、安倍派が捜査を受けるとなったら大臣を全員外す。批判や不祥事に対する小手先だけのリアクションに追われて、ビジョンがまったくない。かつて岸田首相が唱えていた『新しい資本主義』という言葉も聞かなくなった。こんな、対応に追われてばかりの政権は支持率が下がって当然だ」と手厳しい。
また、自民党関係者は「このままじゃそのうち支持率は1ケタになってしまう。消費税以下の支持率はシャレにならない」(自民党関係者)と自虐的に吐き捨てた。
“増税メガネ内閣”の行きつく先が消費税以下の支持率となったらなんとも皮肉な話。そして、最後に待ち受けているのは、政権運営が立ち行かなくなった先の「退陣」というリアクションとなるのか。
そんな未来が様相を帯びる2024年となりそうだ。
取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班