「自分より下だと思った人には態度を変える人なんだな」

柴山容疑者(30)は群馬県高崎市出身。実家はJR高崎駅から離れた山間部にあり、年の離れた姉と妹にはさまれた長男として生まれ育った。近隣住民(70代)もこう肩を落とす。

「ああ、しゅんちゃんは昔から大人しい子でね…。お父さんもお母さんも『ド』の付く真面目な人でさ、今回の事件を知ったときは『まさかあの子が…』と驚いたよ。小さいころから、しゅんちゃんは兄弟と仲がよくて、家の前でよくボール遊びなんかして遊んでたね。お父さんとキャッチボールしてる姿も見たことある。体を動かすことが好きで、誰かにイタズラするようなことも見たことなかったから、やっぱりショックだよね…」

そんなスポーツ少年だった「しゅんちゃん」は、市内の中学校に進むと野球部に入り、白球を追いかける日々を送るようになる。クラスでは「明るい野球部キャラ」として知られていたようだ。中学校で同級生だった女性はこう語る。

「柴山くんは運動がわりと得意で野球を頑張っている印象はありましたね。たしか進学したのは工業高校じゃなかったかな。ヤンキーだとか悪さしたりとかそんなことするタイプではない、明るい子って感じ。ただ坊主頭だし、女子からモテたりすることはなかったですね」

しゅんちゃんこと柴山容疑者(知人提供)
しゅんちゃんこと柴山容疑者(知人提供)

クラスでは明るい野球部キャラだった「しゅんちゃん」だが、ある同級生は恨み節のようにこう語った。

「自分は勉強も人付き合いも苦手でクラスにもなじめなかったのですが、柴山くんからイジメのターゲットにされていました。それこそ体育の授業が終わったあとに校庭の小石を投げつけられたこともありますし、給食のスープの中に、大量の海苔を入れられたこともあります。いつもイジワルするときは、柴山くんを含めた3人組のグループで『ハハハ』と笑っていましたし、自分より下だと思った人には態度を変える人なんだなと思っていました」

工業高校に進学後も野球部に所属。補欠ではあるものベンチ入りをし、県大会ベスト16位入りを果たした。卒業後、専門学校を経て自衛隊の道へ進むが5年前、突如として進路を変更して消防士になったという。このときの様子を、近隣住民の男性(60代)はこう振り返る。

「高校を卒業するときに『自衛隊に入る』とか言って家を出たんだけど、今から4、5年前くらいかな? たまたま隣保班(地域の集まり)で草刈りがあるときに、しゅんちゃんが実家に戻ってきててさ。どうやら昔から消防士を目指していたみたいで、『自衛隊はやめて消防士になったんだ』とか言うのよ。だから今も頑張ってるんだろうなと応援してたんだけど、こんなくだらない事件を起こしちゃって残念でしかないよ…」

高崎警察署(撮影/集英社オンライン)
高崎警察署(撮影/集英社オンライン)
すべての画像を見る

近所に住む伯母も焦燥した様子で取材にこたえた。

「まさか隼一がこんなこと起こすとは思ってもなくて…。もともとすごい真面目な子で、中学校と高校では野球一筋で頑張っていたんですよ。それで自衛隊に入って、今は消防士としてしっかり働いていると聞いて安心していたので、本当に驚いています」

高崎署の調べに対し、柴山容疑者は酒に酔っていたということで、「胸を触ったかもしれません」と容疑を認めているという。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news