大学スポーツが発揮できる社会的な意義とは
関東の関係者は静観を決めこんでいるが、唯一、青山学院の原監督だけがこの一連の流れに疑義を呈している。2025年からは従来通りの方式に戻されることが発表されると、ツイッター(現X)に自説を投稿した。
「まさに茶番劇に終わりそうな箱根駅伝全国化問題。100回大会の地方大学参加、101回大会後の参加継続なし、すべて事後報告!正月から国道一号線を利用させて頂く国民行事。加盟校のみならず、多くの国民のご意見に耳を傾けるべきだと思います。皆さんはどう感じられますか?」
もともと原監督は全国化を唱えてきたが、関係者の間では第1回大会から関東で行われてきたことと、戦後の大会復興にあたって、先人たちが箱根駅伝という財産をつないでいくために甚大な努力をしたことを忘れてはならない、という声も聞く。
私個人はといえば、全国化が定番となれば、地方の大学のなかには豊富な資金を投入して学生をリクルートする学校も現れてくるだろう。そうなった時に、箱根駅伝がどうなってしまうのか、という不安はある。
まずは、2023年に全国の大学が予選会に参加して、どんな結果が得られるかを観察していくことが大切かと思う。もしも、選手強化にプラスになるようであれば、全国の大学が5年に一度なり、より開かれた大会になるように働きかけていくはずだ。
未来の箱根駅伝はどうなっていくのだろう?
私としては、学生の生活が充実する方向へと向かい、大学スポーツがより社会的な意義を持てるよう、箱根駅伝が先導していって欲しいと思っている。
箱根駅伝には、その力があるのだから。
文/生島 淳
#1『箱根駅伝で留学生がいるチームが優勝したのは過去3回のみ…俊足の留学生選手が優勝に絡むファクターにはなりづらい理由』はこちらから
#2『第100回箱根絵駅伝もナイキのシューズだらけか!? 選手たちのランニングフォームに画期的変化を起こした厚底革命の勝利のゆくえ』はこちらから
#3『これからの箱根駅伝は、中央と順天堂の時代がやってくる!? 藤原監督は1981年生まれ、長門監督は84年生まれ。30、40代の指導者がいよいよ大暴れの予感』はこちらから












