テレビはほとんど見ないがタモリにはシンパシー
テレビはほとんど見ないそうだが、中学生以降、唯一見ていた番組が『ブラタモリ』なのだという。
「彼は鉄道の運転士になりたかったほどの“乗り鉄”で、幼年期には踏切の前で電車を1時間眺めていても飽きなかったそうです。小学生になると、東海道新幹線や名古屋近辺の私鉄の時刻表を全部暗記したようですし、大阪の関西将棋会館との往復では、片道2時間以上もかけて、さまざまな鉄道ルートで行き来しています。
それほどの電車好きだから、同じく鉄道好きで有名なタモリさんの番組も好きなようです」(田丸九段)
スポーツニッポンの新春企画でタモリと対談しているが、その時も『ブラタモリ』の番組裏話で盛り上がったという。タモリが電気機関車を運転したことがあると話すと、藤井八冠は、「僕は『電車でGO!』くらいです」と話している。
今年8月22日、23日に行われた王位防衛戦の第5局では、それまでの車移動をやめ、JR岡山から快速マリンライナーと特急うずしおに乗って徳島入りした。
対局前日の会見では、「瀬戸大橋線から高徳線で来ましたが、実は初めて乗る路線。JR四国の2700系は初めて乗る車両で、いろいろ楽しんで来ることができました」とうれしそうに話していた。
「2021年の王位防衛戦第2局では、目的地の旭川空港へ直接飛ばず、新千歳空港に到着。千歳線と函館本線に乗り、景色を楽しんだ。王位を防衛できたのは、気分転換して『鉄分』をいっぱい取れたからだと言われていました」(田丸九段)
10月11日に行われた王座戦第4局の会場は京都市のウェスティン都ホテル京都。果たしてどんな景色を見て現地に入ったのか。もしかしたら、その車窓から見た景色が八冠という大偉業の後押しとなったのかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班