コオロギパンで避難が殺到した敷島製パン

「Pasco(パスコ)」で知られる敷島製パンのツイッターが2023年2月17日から、本稿を書いている2月27日まで更新されていません。理由は炎上を恐れているからでしょう。

何があったかといえば、同社がコオロギの粉末入りパンを前年に通販限定で発売したことが今になって広がったのです。

コオロギ粉末のことを隠して販売したワケでもないのに、同社のツイッターには非難の意見が多数書き込まれ、不買宣言まで出現。ツイートを復活させる際にも、批判の声が殺到すると思われます。

この炎上の過程で2020年12月に「Korogi Cafe」というコオロギ粉末入りブランドを発売していたことが明るみに出て、「そんな前からやっていたの……」などと言われました。

「コオロギ憎けりゃ太郎まで…」別に悪いことしているわけでもないのに敷島製パン「コオロギ粉末入りパン」を大炎上させた”日本人の空気感”_3

発売当時、J-CASTニュースが同社に販売意図を取材したところ、以下のように答えました。

〈世界人口増加に伴い、早ければ2030年頃に世界的なたんぱく質不足が予測されています。その対応として、地球に優しい次世代のたんぱく源候補の一つである昆虫食に着目しました。その中でも、コオロギは育てやすく味が良いことから人気となっています〉

同社は悪いことをしたワケではないのですが、世の中にはコオロギ食に反対の声が多すぎる。日本は「空気感」というものが世論を作り、人々の行動様式に影響を与えますが、コオロギ食は抵抗が強すぎました。

他にもコオロギ関連商品を出している会社は無印良品やファミリーマートなどがあるのですが、パスコは「超熟」シリーズのコンセプトとして「余計なものは入れない」を掲げています。何かと添加物が批判される同業他社との差別化がここにあったのに裏切られた気持ちになったのでしょう。