「ラーメンは自分にとっては天職だ」

弘輝さんとは開業当時からの付き合いという知人は、ショックを隠せない表情だった。

「私の方がだいぶ年上なのに彼(弘輝さん)はタメ語なんだけど、それが嫌じゃない感じの話し方で、人懐こいというか…。ラーメンにサービスで煮卵を2つ入れてくれたりと、年上に可愛がられるやんちゃな弟のような感じです。私は仕事上のつき合いということもあり、ある程度は店の状況も知っています。最近は経営難でラーメン屋を畳むケースも多いようですが、彼のお店は安価ながらそれとは無縁だったと思います。彼は愛すべき存在だったし、本当にラーメンが好きでラーメン屋を始めた人間だということです」

ラーメン店の前にはたくさんの花束や飲み物が置かれていた(撮影/集英社オンライン)
ラーメン店の前にはたくさんの花束や飲み物が置かれていた(撮影/集英社オンライン)
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弘輝さんは横浜で有名な家系ラーメン屋で修行をし、自分の店を開業したという。

「いつも新作のラーメンを考えたり、1人でも多く自分のラーメンを食べてもらいたいと考えていました。『ラーメン屋は自分にとって天職だ』と口にしていたこともあります。愛想がないと思われがちですけどシャイなんですよ。家族のことも本当に大切にしていて、子どもが大きくなったとうれしそうに話していました。本当にこんなことになってしまって残念でならないです」

「坊主頭」の昭仁容疑者は名古屋市内のホテルに滞在しているところを県警が発見して逮捕。調べに対し「私がやったことに間違いありません」と容疑を認めている。ラーメン屋が「天職」だと家業に励む33歳店長と、親戚で2歳年長の「坊主頭」の従業員の間に何があったのか。詳しい動機の解明が待たれる。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班