店に行くと顔を覚えてくれていて「いつものね」って…
数年前からこの店に通っていたという常連客は、弘輝さんが店番をしていた昼に訪れることが多かったという。
「昼間はそれなりに混んでました。私は数年前から月1回くらいのペースで、基本昼間に来ていたのですが、店長さんは物静かというか無口な印象ですね。ニコニコ接客するタイプじゃないけど、さすがにそれで恨まれるなんてことはないと思いますし‥‥いったい何があったんですかね。私はいつも500円のラーメンを食べていましたが、安くてうまいので通っていました」
また、近くに住む男性は弘輝さんの優しい一面をこう語った。
「開店して数年経ったころのことですが、私が近所で働いていたので店長さんとはよく顔を合わせていて、そのうちに店の前で会うと『こんにちわ』と挨拶してくれるようになりました。仕事が午前中で終わって帰宅する時には、当時はまだそんなに繁盛店でもなかったので『ラーメン作ってやるから食ってけよ』と誘われて食べさせてもらったことがあります。私は代金を払おうとしたのに、そのときは『無料でいいよ』と代金を受け取ってくれませんでした。それ以来、たまに食べに行くようになったのですが、最近は行ってなくて……。すごく優しい人だったのになぜこんなことに……としか思えないです」
オープン時から通う30代の男性も、弘輝さんのファンだった。
「自分は安いだけじゃなく店長の人柄に惹かれて通ってるところもありました。店長は自分の好みが『硬め濃いめ』というのを覚えてくれてて、行くと『いつものね』ってそれを出してくれるんです。子供を連れて行ったときには『食べられない薬味ある?』ってウチの子に優しく聞いてくれたんです。まともに会話したのはそれくらいですけど、気遣いのできる良い店長だっていうのは伝わってたので、こんな事件になってとても残念です」
一方、「夜番」の常連客に聞くと、昭仁容疑者の評判も上々だった。
「私が食べに来ていたのは基本的には夜だったので、店長ではなく坊主の店員さんでした。特に何か話すという感じではなかったのですが『いらっしゃい』とか『ありがとうございます』とかは気持ちよく言ってくれる人でしたよ」
1カ月ほど前から通うようになったという40代の男性も、昭仁容疑者に好印象を持つ“坊主推し”だった。
「まだ通い始めて日が浅いですけど、千円あればビールとラーメンを楽しめるいい店だし、坊主の店員さんの優しさにも惹かれました。ここでラーメンを食べると50円引きのクーポン券をくれるんですけど、渡された直後に『今使えますよ、トッピングでもしますか』と教えてくれて、うれしかったですね。だから毎回50円引きされてる状態なんですよ。でも教えてくれなければすぐ使えるとわからなかったし、通うようにはならなかったと思います」