千葉のスポーツスクールで働く47歳のマークさん
アイコンの自己演出が過ぎたり真逆だったりリアルな自己像と離れていると、マッチン
グもいい結果にはならない。
この問題はインスタでリアルとはかけ離れた、キラキラな自己演出した投稿ばかりするインスタグラマーたちの空虚さにも繫がる。私はこの現象をアバター丸投げ化と呼んでいる。
例えば女性にウケるマーヴェリックみたいなパイロットの制服を着た写真や、筋肉を見せてフィットネスをする写真をアプリのアイコンにすれば、そのインパクトだけでかなりの「いいね!」が稼げる。だが仮にそれでマッチングできたとしても、うまく付き合っていける確率はかなり低い。アバターのバリューがひとり歩きしても、近くで見るとその後ろに隠れた本人を逆に小さく貧相に見せるからだ。
もう1人、プロフィールのアバターとのギャップが大きすぎて衝撃を受けた人がいる。
千葉のスポーツスクールで働く47歳のマークさんだ。アイコンの写真は青空の下で純白のテニスウェアを着てラケットを持って立っている笑顔の若々しい男性。小麦色に日焼けしていて白い歯が眩しく、青春映画の一コマのように爽やかでかなり目立っている。
そして自己紹介は「××のスクールでテニスのインストラクターやってます。休みの日も自分の練習や試合に打ち込んでいて、テニス一筋でまったく出会いがないので登録してみました。結婚まで視野に入れたお付き合いができる人を募集しています」。
今までにないスポ根系だ。
前田大然選手に似た濃い目の顔立ちもガッチリしたスタイル
きっと汚れていない誠実な人に違いないと期待して「いいね!」を送る。マッチングしてからのメッセージは普通の自己紹介で始まり、3つのスポーツクラブを掛け持ちしていること、朝から晩までのレッスンで休みが月に3、4日しかないこと、それでも時々、ベテランの試合に出て上位入賞することなど教えてくれた。ここまでは予想通りのスポーツ熱血キャラで好印象。
しかし一つ、大きな疑問があった。
テニスのインストラクターは一般的にモテる。テニスだけでなくゴルフもフィットネスも、生徒に信望があってカッコいいお手本を見せられる「先生」は大抵モテる。特に初心者や主婦、若いOLなどが多いクラスでは、ルックスはそこそこでも先生の御威光で取り巻きができることが多い。だから自分の生徒と付き合ったり結婚したりする人は多い。
マークさんは千葉の名門のスクールで専任コーチとして教えているし、サッカー日本代表の前田大然選手に似た濃い目の顔立ちもガッチリしたスタイルも体育会系っぽい感じで、テニスへの情熱は現役選手並みに熱い。初心者や高齢者にも真剣に教え、信望も得ているという。
そんなモテ要素がたくさんありながら、なぜ47歳まで未婚だったのか?