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男装のアマテラスと弟のスサノヲの子作り

『古事記』『日本書紀』で私が最も惹きつけられるシーンは、男装のアマテラスと弟のスサノヲの子作りの様を描いた箇所です。

と、書くだに、あらゆる意味でヤバい感じがします。

以下、『古事記』に沿って説明すると……スサノヲは、黄泉国の母イザナミを慕って泣いてばかりで、命じられた海原を治めないために、父イザナキに追放を命じられます。そこで姉のアマテラスに暇乞いをしに高天原(神々の住む世界。アマテラスが主宰する。よみ方は「たかあまのはら」説もあり)に向かったところ、「我が国を奪いに来たのか」と恐れた姉は、髪を、男の髪型である”みづら”に結い直し、左右のみずらと鬘、左右の手には、それぞれ大きな勾玉をたくさんつないだ玉飾りを付け、鎧の背には千の矢が入った矢入れを背負い、胸には五百本入りの矢入れを装着、強靱な防具を身につけ、弓の内側を振り立てて、堅い地面を股が埋まるほど踏み込んで、迎え撃ちます。

男装の姉と弟の子づくりを描く『古事記』『日本書紀』のヤバすぎる関係…わけがわからない、男も子が生める世界_1
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ターミネーター張りの重装備で、威嚇している感じ

男装した上、武装したわけで、今でいうなら、防弾着に連射銃、銃弾を体中に巻く……というターミネーター張りの重装備で、威嚇している感じでしょうか。

「何のためにのぼって来た」
「よこしまな気持ちはありません」
「ならば、お前の潔白はどう証明する?」

姉とのそんな問答の末、スサノヲはこう提案します。

「互いに”うけひ”をして子を生もう!」