義憤にかられた巡回ユーチューバーの危険性

買春目的の男性が後を絶たないという現在の大久保公園の状況はどうなっているのだろうか。4月某日、記者が大久保公園に立ち寄ってみると、明らかに女性を物色する男性の姿が5~7名ほど確認できた。驚くことにこれは12時~14時という真昼間の時間帯だ。その中の60代と思しきスポーツウエア姿の男性は2度、女性に声をかけたが交渉がまとまらなかったのか、そのまま大久保公園をひとりで後にした。女性はみなスマホをいじりながら立っているだけで、30分もするとその場を立ち去っていく。黒いスウェットに黒いミニスカートの若い女性に声をかけてみた。

「ひととおり今いる男性から声をかけられて値段や条件が会う人がいなければ、男性が入れ替わる時間までどこかで時間を潰してまた公園にくる子も多いですよ。迷惑系ユーチューバーが未成年買春撲滅運動と言って巡回するようになってからは前ほど簡単にお客を捕まえることができなくなりましたね。実際に『周りを警戒しながら声をかけたんだ』って怯えながら声をかけてくる男性もいました。こんなことやっていて言うのもなんですけど、女の子も動画に映りこんでしまってSNSで拡散されることには身バレの恐怖を覚えています」(19歳・女子大生)

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大久保公園周辺のホテル街

その意味ではユーチューバーの活動が、ある意味で抑止力とはなってはいるようだ。
大久保公園で座っている20代・女子大生は迷惑系ユーチューバーの影響に困惑していた。

「冷やかしがすごく増えました、男性だけでなく女性の冷やかしもいるんです。少し離れたところに友達がいて、数分間女の子が立ってみたらどれくらい声かけられるのか、みたいな…それを動画で撮っているんです。あと以前、突撃されて動画を回されてパパ活に失敗した子がいましたけど、巡回しているユーチューバーたちがいなくなったのを見計らって戻ってきてましたよ。女の子によって違いますが、1回1万~2万円程度で交渉していて、お金のために自分たちからやっているのでそりゃ戻ってきますよね」(20歳・女子大生)

義憤にかられて巡回しているユーチューバーもいるのだろうが、中には面白半分という配信者もいるのだろう。だが、カメラを向けた男性が逆上し暴力を振るう危険性も考えられるし、歌舞伎町内には今もカメラに映りこむことを嫌う“ヤバイ”人種も多く存在する。
長年、歌舞伎町で商売をしてきた“事情通”が警鐘を鳴らす。

「一昔前は歌舞伎町のラブホ街でカメラをむけようものなら、それこそヤクザが飛んできてドヤされたり、場合によっては事務所に連れていかれることもあった。今じゃそこら中に防犯カメラがついているし、暴対法もあるからなかなか手出しはできない。ただ、あまりにも自分らのシマを荒らしたり、ナメた態度をするガキはそのうちイタイ目みるでしょう。それはきっとカメラのない死角で起こると思いますし、もちろんその瞬間は配信もできないでしょうね」

“立ちんぼ”の中には年端も行かないトー横キッズの女の子もいるという。ユーチューバーの暴走で新たな事件が起きないことを願うばかりだ。

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大久保公園付近でたたずむ女性に声をかける男性(消防署幹部とは別人)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班