正体は隠してない。公表してないだけ

#2で自らの名前の意味を“最後の駆け込み寺”と話していたが、まさにその通りだろう。Z李氏のTwitterアカウントには1日100件以上のDMが送られてくるという。もちろん、救いを求める連絡だけではなく、タレコミの類も多い。それをうまく発信すれば、自身の影響力が増すことにもつながる。

しかし、本人はTwitterを続けることに特に大きな意味を抱いていないようだ。

「俺はインターネットが決してうまいってわけじゃないからな。それにギャンブルの仕事も忙しい。オンラインサロンの会員を騙す結果にしたくないから、土日は必ず競馬を見てるし、平日も何かしらのギャンブルをしてる。1日3~4時間はその時間にあててるから、年間1500時間だな。私生活も充実してて忙しいんだよ」

「スシローペロペロ少年」など過激化するネットリンチにZ李氏は何を思う。「ある意味、新しい監視社会になった」自殺志願者のDMに即反応して電話で相談にのることも_4
Z李氏が運営する「新宿租界」Webサイト

Z李氏がなぜ正体を隠すのかを聞いてみた。

「俺は別にあくまで素性を公表してないだけで、隠してるつもりもないんだよな。毎週のように、新しい人に会うし。もちろん、俺の正体について噂や推理遊びが楽しい人は勝手にやっててもらっていい。実際、歌舞伎町にいれば声を掛けられることもあるよ。ネットで自分の車とか自慢しちゃうこともあるから、そこから俺を見つけるんだろうな。

ガキが8人くらいで俺の車のまわりにいて、邪魔だから『俺の車を囲むな』って言ったら『Z李さんを待ってたんです』なんて言われたこともあったな。すごんだりなんてしてないよ。むしろ全員に1万円ずつ配ってやったよ」

時にはインフルエンサー、時には詐欺師を追い込むダークヒーロー、時には自殺志願者の良き相談役……様々な顔を持つZ李氏だが、今後何かやってみたいことはあるのか。その問いにZ李氏は、ふと思案顔になり、こう締めくくった。

「スシローペロペロ少年」など過激化するネットリンチにZ李氏は何を思う。「ある意味、新しい監視社会になった」自殺志願者のDMに即反応して電話で相談にのることも_5
すべての画像を見る

「俺の一番好きな本は『止まり木ブルース』(競馬評論家、塩崎利雄のドキュメント小説)。俺は『止まり木ブルース』の現代版の世界観で今、生きてると思う。だから、そうだな。これからは自分が思うかっこいい生き方をして、『止まり木ブルース』みたいに、いつか本にできたらいいな」

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

#1 はこちら
#2 はこちら

『飛鳥クリニックは今日も雨』
Z李
「スシローペロペロ少年」など過激化するネットリンチにZ李氏は何を思う。「ある意味、新しい監視社会になった」自殺志願者のDMに即反応して電話で相談にのることも_6
3月22日発売
1650円
192ページ
ISBN:978-4594094423
週刊SPA! 人気連載、待望の書籍化!  不夜城、眠らない街、東洋一の歓楽街。そんな言葉で表現される歌舞伎町の片隅で看板のない何でも屋を営むリーのもとには、昼夜を問わず厄介なトラブルが舞い込む。ポンジスキームと呼ばれる詐欺で荒稼ぎする詐欺師たち。それらを配下に収める暴力団。闇金業者に未成年売春シンジケート。彼らと激しく衝突し、時に共闘しながら時代を泳ぐリーには、忘れられない過去があった。 
amazon