自殺志願者に電話をかけて相談に乗ることも

ネットリンチに加担するネットユーザーに対しても思うところがあるようだ。

「昔から掲示板にネトウヨってのがいるでしょ。鬱屈しちゃってもう何もないやつらな。そういうやつらは誰かを叩くことでしかスッキリできない。だからみんな誰かに石を投げたいんだよ。特にコロナ以降は全体的にネットに触れる機会が増えたからか、陰謀論や根も葉もない噂を都合よく解釈して盛り上がる人が多くなった印象だ。

『確証性バイアス』ってやつでさ、こうだと思い込んだら他の意見が耳に入らなくなってしまう。俺たちを巷で噂の連続強盗団の黒幕だなんて盛り上がってるネット民がいることにも驚くよ。安倍(晋三)さんの襲撃も俺たちが裏で糸引いてるとかさ。そんなわけないだろ。でもやつらはそう思い込んじまってるんだよな」

「スシローペロペロ少年」など過激化するネットリンチにZ李氏は何を思う。「ある意味、新しい監視社会になった」自殺志願者のDMに即反応して電話で相談にのることも_3
話題となった歌舞伎町スリ犯もZ李氏が捕まえ、謝罪ラップを歌わせた後、出頭させた

その一方で、「死にたい」というDMを送ってくる人には積極的に対応する優しい一面も。

「これ言うといたずらが増えそうでイヤなんだけどな。特に『今から死にます』って連絡してくるやつには積極的に電話して、本気で死にそうなやつは30分とか1時間は話聞いてやってるよ。

死にたい理由で多いのは借金。そういうやつには『なんで返す前提で考えてんだよ。バカなのか。返さなきゃいいだろ』とか『俺は同じ歳のころはその3倍以上の借金があったぞ』と言ってる。後日お礼のDMがきて、『今度ご馳走させてください。それができる身分になれるようがんばります』なんて言ってくれるやつもいたな」

間違いなく美談だが、「俺の番号でかけてるわけじゃないから、いたずらで連絡してくるなよ」とドスのきいた声で釘を刺すことも忘れない。