同期の自殺。「明日が来るのがもう怖い」

――その体験は大きいですね。ただ警察官の仕事を続ける中で、ついには精神的にまいってしまった。

日々怒られることで、だんだんすり減っていったんだと思います。

自分でいうのもあれですが、警察学校ではすごくできた方でした。運動もできたし、勉強もできて、教官にも褒められることが多かった。でも、現場に入ったら自分は何もできなくて。完璧にやらなきゃって思ってたから、自分でも自分を追い込んで、それで病んじゃって。仕事を始めて3〜4か月くらいの頃です。ストレスの捌け口は食で、急に太っちゃって。そんな自分にもさらにストレスを感じてました。

そんな時、勤務中にテレビをつけたら同期の子が自殺をしたというニュースが流れたんです。警察学校の時にはずっと成績1位で、めちゃくちゃ優秀な子で、警察学校時代はクラスも違ったし、そこまで仲が良かったわけではないですけど、しゃべったことはある子でした。

ただでさえ心がきついのに、知っている人が自殺をして、もうショックで...。

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――精神的に追い込まれた状態で、そのニュースはきついですね。

その頃には本当に精神的にしんどくて、眠れない毎日でした。で、ある日、ずっと寝られず、深夜4時に涙が止まらなくなってしまって。これはもうダメだと思ってお母さんに電話したんです。「明日が来るのがもう怖い」って。

お母さんから、「もう、とりあえず仕事場に行かなくていいから、上司に電話しなさい」と言われたので、朝、上司に電話してその日は休みました。お母さんもその日、私のところに来てくれて。「もう辞めてもいい?」って聞いたら「いいよ」って言ってくれたので、警察を辞めました。
(#2へつづく)