「いつバンされてもいい」

ヤクザと渡りあうなら「一に勇気、二に度胸、三に覚悟」。ついに雌雄を決する“バン仲村vs瓜田純士”。因縁の一戦に賭ける、仲村のアツい想い〈BreakingDown 7〉_3
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――バンさんの戦う姿は、胸にグッとくるものがあります。

YUGOさんとの試合の後は、感極まって僕自身が泣いちゃいましたけどね(笑)。でも、僕が戦うと、「きっと俺もまだまだできる」というDMを40~50代の人たちがいっぱい送ってくれるんです。

僕は格闘家ではないけど、「絶賛中年のおっちゃんが頑張ってます!」という意味で、何かしらみんなに届けばいいな、と。

僕のアンチってあんまりいなくて、むしろ信者が多いんです(笑)。YouTubeのコメント欄を見て貰えばわかると思うけど、みんなアツい。ただ再生数が多ければいい、ということではなくて、みんなからのアツいコメントの一つ一つが、本当にありがたい。

――なるほど。

心に雨や雪が降っている人が多いから、みんなが少しでも笑顔になれれば、なおいい。コロナ禍も長引く中で、「明日どうしよう。クローゼットで首を吊ろうかな…」と困っている人は僕も周りにもいるし、それで亡くなった方も実際に見ている。そういう人たちへの応援も含めて、もうちょっと頑張りたい。

明後日からは、大阪のホストクラブに行きますからね。青汁王子とハルキカイ君の大阪のホストイベントにゲストで出るんですけど、僕は別にホストをやりたいわけじゃない(笑)。

でも望んでくれること自体が、ありがたいじゃないですか。踊れって言われれば踊るし、落とし穴にも落ちる。ブランディングとか自分のプライドとか、そんなのは全くない。

――素敵な姿勢だと思います。

あとは、名前の通り、いつ“バン”されてもいい。僕への需要がなくなる気配を感じたら、この業界からはさっと身を引いちゃおうかな、と。生活は他の仕事で十分に成り立つし、お金もないわけじゃないんで。

どうせやるならやり切って、「ありがとうございました」と潔く去ろうかな、と。

――まだまだご活躍される姿を見たいです。

“スペシャルじゃない人間が、スペシャルを超えることがある”という僕の理論が昔からあって。僕は歌手じゃないし、サッカー選手にもなれなかった。

でも、スペシャルじゃない人間が、あらゆることをひたすら必死にやれば、スペシャルを超えることもある。

これまで自分がやってきた全てが今に繋がっているからこそ、本当にそう感じていて。これからもこのまま行きたい。

僕が戦ったり踊ったり、いろんなことを必死にやっている、その姿を観たみんなが「バンちゃんもやってるじゃん、俺も頑張る」って、勇気を与えられたらいいな。

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取材・文/佐藤麻水
撮影/浅井裕也