巨大戦力の2クラブがなぜ下位に低迷?

今シーズンのJリーグでは、関西の有力クラブであるガンバ大阪、ヴィッセル神戸が降格圏に沈んで苦しんでいる(原稿執筆8月30日時点、ガンバ16位、ヴィッセル17位)。

どちらもJ1トップレベルの戦力を誇るだけに、緊急事態と言えるだろう。資金面で恵まれている二つのクラブは監督を交代させ、新たな補強も敢行したわけだが…。そもそも、なぜ有力クラブが降格圏に沈み、抜け出せずにいるのか?

その論理は、ビジネスを含めた集団社会に通底したものだ。

不振のチームには、様々な問題があるように映る。「守備が総崩れで再建急務」とか、「深刻な得点力不足」とか、「采配が疑問」とか、「有力選手が移籍し、穴を埋められていない」とか、いずれもそれらしい。しかし11人対11人の集団スポーツでは、問題の真相は入り組んでいる。

一つ問題を解決しようとしてもほとんどの場合はうまくいかず、さらに袋小路に入る。多くのケースで、問題はもっと根源的、構造的なものである。攻撃がうまくいっていないのは守備に問題があり、守備がうまくいかないのは攻撃に問題があったりする。どちらかに手を入れると、さらにバランスが崩れることもある。