【秋田コンクリートづめ女性遺体】元暴力団員・井上容疑者とテレクラで出会いホテルで覚せい剤を打たれた女性の告白「なれた手つきでパケの中身を注射器に入れ…」「ネタも凄いけど…俺に依存するから」とLINEで自慢され
2年前から行方不明だった愛知県出身の女性Aさん(当時48歳)が秋田市内で変死体で見つかった事件で、警視庁捜査1課が死体遺棄容疑で逮捕した元暴力団組員、井上大輔容疑者(48)=別の覚醒剤事件で服役中=が、覚醒剤(通称シャブ)を用いた性行為に興じる手口が、取材により明らかになった。
デリヘルが帰っちゃって満足できなかったから電話した
井上容疑者と偶然知り合い、“シャブセックス”に引きずり込まれた女性、中山裕子さん(仮名)が集英社オンラインの取材に証言した。
秋田市内で変死体で見つかったAさんは派遣型風俗店(通称デリヘル)に勤務、派遣先のホテルで井上容疑者と会ったのを最後に行方不明になっており、警視庁は薬物使用で死なせた可能性もあるとみて調べを進めている。

被害者のAさん
Aさんは2021年6月末、埼玉県内のホテルで井上容疑者と会ったのを最後に失踪したが、中山さんが井上容疑者にシャブセックスを「強要」されたのは、同月2日のことだったという。
中山さんはテレフォンクラブ(テレクラ)でサクラ(男性客を釣るための女性客を装った電話のかけ子)のアルバイトをしていて、井上容疑者と知り合ったという。
「私がサクラをしていたテレクラに井上容疑者が最初に電話してきたのは、2021年3月10日の朝の4時半ごろでした。『もうデリヘルが帰っちゃって満足できなかったから電話した』とのことで30分くらい話して、LINEの交換をしました。
LINEでは元ヤクザだったとか、シャブやチャカ(けん銃)の卸しをしてたとか、裏稼業っぽい感じの話をしてきました。本当にそんな危ない仕事をしてる人なら、見ず知らずの人に言わないはずなので、自分を大きく見せたいホラ吹きだと思っていました」

井上大輔容疑者(知人提供)
そんなやり取りばかりが続くのに嫌気がさした中山さんは、面倒臭くなり3月22日に井上容疑者とのLINEをブロックした。ところが、
「でも6月2日の、また朝の4時半ごろにテレクラを介して電話がかかってきたんです。今度はテレクラのフロントに頼んで私を指名してきた感じでした。井上だということは、声色や話し方ですぐに気づきました。『どうしたの?』と聞くと前回と同じで、デリヘル嬢が帰ったから時間と精力を持て余して電話をかけてきたようでした。
私も仕事なんである程度相手してたら、『こっちにかけて欲しい』と携帯番号を教えてきたんですよ。それで、過去にLINEもしてたしまったく知らないわけじゃないから電話をかけたんです。そしたら『今から会おうよ』って言われて、朝方だしどうしようかなって悩んだんですけど、ちょっと会うだけと言うし、そんなに遠くないからと言いくるめられて…」
これは普通に効くヤツで、
こっちは下(下半身)に効くヤツだよ
中山さんは指定されたJR東川口駅まで出向いた。そこで初めて対面した井上容疑者は、事前にLINEで送られてきていた自撮り写真よりだいぶ老けた、人相の悪い中年だったという。
「会ったらすぐに『忘れ物をした』と言うから、井上が経営しているという引越し業者の事務所に、黒のワゴン車に乗って一緒に行くことになりました。事務所といっても2DKのアパートで、怪しい雰囲気はありました。ちょっと会うだけの約束だったんですけど、車でぐるっと走っても朝方だし東川口だからカフェとかも開いてなかったんですよ。どうするんだろうと思ってるうちに、結局無言でラブホテルに直行されました。馴染みもない土地なんで、渋々部屋までついて行くと、ソファに座ってベタベタ甘えてきたんですよ。ヤリたくてしょうがなかったんだと思います」

井上大輔容疑者(知人提供)
すると、井上容疑者は机の上に平然と2種類の覚醒剤のパッケージを並べ出した。
「井上は『これは普通に効くヤツで、こっちは下(下半身)に効くヤツだよ』とうれしそうに説明しだして『違法だけどたまに使うぶんにはいいんだよ』とうそぶいてました。後で警察に事情を聞かれたときに見せてもらったからわかるんですけど、井上が取り出したのは1g入りのパケ(透明な袋入り)で、2種類とも白っぽい透明な結晶みたいな感じでした。
井上は慣れた手つきでパケの中身をカバンから取り出した注射器の中に入れ、ホテルに置いてあったミネラルウォーターを針から吸い上げて使ってました。私と会う前に、デリヘル嬢といたときにもクスリを打っていたそうで、多分その日2回目だったんだと思います。私は『少なめにして』とせめてもの抵抗をしたんですけど、『これくらいイケるでしょ』と1mlの注射器のメモリ0.3〜0.4くらいまでクスリを入れて打たれました」
金銭的なやりとりはなく、セックスの行為自体は乱暴でもなく、ごく普通だったという。
中山さんが続ける。
「結局ラブホテルにいたのは午前7時半ごろから午後2時ごろまででした。解散後は、こいつと関係を持ち続けたら、また覚醒剤を一緒にやらされると思って怖くなり、すぐに連絡先をブロックしました。ホテルや車内での会話で覚えてるのは、デリヘルはよく呼んでるとか、キメセクするためのセフレも数人いるという類の下半身自慢みたいなことですね」

井上容疑者と中山さん(仮名)のLINE(中山さん提供)
中山さんは井上容疑者との出会いの経緯やLINEの内容を提出するなど、警視庁の捜査に協力し、引越し事務所のアパートや黒いワゴン車の写真を見せられ、自分の記憶にあるものとの一致にゾッとしたという。
Aさんの死体遺棄事件で警視庁が逮捕したのは計5人。主犯格は井上容疑者とみられるが、遺棄現場の土地を購入するなど、井上容疑者の元妻の土岐菜夏容疑者(34)の関与の度合いも深い。
「土岐容疑者は秋田県の短大を卒業して管理栄養士の資格を取り、平和運動に目覚めて被爆地の長崎県に住んでいたような人物なので、暴力団組員だった井上容疑者との接点がはっきりしません。土岐容疑者は黙秘を続けているといいます」(社会部記者)

ボランティアに積極的だった土岐容疑者(店舗HPより)
元極道と元ボランティア少女が起こした最悪な事件の顛末を知るには、もう少し時間がかかりそうだ。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班