頭の筋肉は動かしづらく、こりやすい

まずは自分の頭がこっているかチェックしてみましょう。
頭がこっているかチェックする方法は、頭頂部をつまむというのがありますが、ほとんどの人はつまむことができないので、両手で頭を押さえて、前後左右、斜め前、斜め後ろに頭皮が動くかやってみてください。
前後左右は動いても、斜め前、斜め後ろにはあまり動かないなら頭がこっている証拠です。
また、両手でギュッと頭を圧迫してみて痛みを感じる人も頭がこっています。

頭がこるということはいったいどういう状態なのでしょうか。

私たちの体の皮膚の下には筋肉をラップのように包んだ筋膜と骨を包んだ骨膜があります。
関節を動かすと筋膜や骨膜が伸び縮みすることで、血行やリンパの流れが改善され、体が動きやすくなります。
頭も頭皮の下に、筋膜とその下には頭蓋骨を包んだ骨膜、関節(縫合部)があります。

頭蓋骨は通常の関節と違い、自分で意識的に動かすことができません。
動かすとすると、シャンプー時に頭皮をマッサージするくらいで、頭皮の下にある筋膜、そしてさらにその下にある骨膜まで刺激が届かないことがほとんどです。
その結果、頭の筋膜、骨膜は滑りが悪くなり、こり固まりやすく、頭こりになってしまう場合があるのです。
このように頭の筋膜や骨膜は自分でなかなか動かしづらいため、肩こりよりも自覚しにくく、さらに改善しにくいと言われています。

また、頭頂部にある筋膜はスーパーフィシャルバックラインという、足底からアキレス腱、腓腹筋、ハムストリング、仙結節靱帯、脊柱起立筋、帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)まで亀の甲羅のように体の背面をつなぎ、保護している筋膜ラインとつながりがあります。

そのため、頭がこると、体の背面の筋肉の動きにも影響を及ぼし、頭痛をはじめ、目の疲れ、首痛、首こり、肩こり、自律神経の乱れ、腰痛などの不調を招く恐れがあるのです。

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