寒い冬に食べたくなる、身も心も温めてくれる“鍋料理”。昨今は中国の火鍋やタイのチムチュムなど、外国生まれの珍しい鍋料理も流行中で、バリエーションは今なお増え続けている。

これまでに6500種類もの鍋を食べた、まさに“鍋のプロ”と言える料理研究家の安井レイコさんいわく、“市販の鍋の素を用意していないと手早く作れないというのは大間違い”なのだとか。そこで今回は、彼女に、鍋の素がなくても家で簡単に作れる絶品の“オリジナル鍋レシピ”を5つ紹介してもらう。

水と料理酒だけ! 無駄を削ぎ落とした究極シンプル鍋
『料理酒タラちり』 

まずご紹介するのは「料理酒タラちり」。“究極のシンプル鍋”だというが、はたして……。

ネギを切るだけ! 水と料理酒だけ! 6500種以上の鍋を食べ尽くしたプロが教える、簡単&シンプルなのに激ウマ鍋レシピ_1
塩や醤油も入れない超シンプルな味付けだが、抜群の美味しさ
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材料と作り方は以下の通り。

【材料】(1〜2人前)
水:150ml
料理酒:50ml
タラの切り身:100g
白菜:3枚ほど
長ネギ:1/2本
えのき:50g
しいたけ:1個
にんじん:20g

【作り方】
長ネギ(1/2本)を1.5cmくらいの幅にななめ切りにし、にんじん(20g)を一口大のお好みの形に切っておく。

白菜(3枚ほど)はそぎ切りにし、えのき(50g)としいたけ(1個)も石づきを切り落として、しいたけ(1個)のほうは食べやすいサイズに切る。

鍋に料理酒(50ml)、水(150ml)を入れてひと煮立ちさせた後、切っておいた野菜とタラの切り身(100g)を入れて完成。

「“鍋つゆがないときはどうお鍋を作ればいい?”“余らせがちな料理酒をどうしたらいい?”といったお悩みを持つ方がたくさんいると思い、そのお悩みを解決するレシピとして考えたものがこちらです。

つゆのコクやまろやかさのベースは料理酒と水のみとシンプルですが、実は料理酒には塩が入っているので味付け自体はこれだけで十分なんです。タラの海鮮の旨味と野菜の出汁がしみ出してくるので絶品の鍋に早変わりしますよ」(安井さん、以下同)

具材は2品のみ! 江戸っ子が愛した渋い味わいを家庭で
『シンプルねぎま鍋』

次に紹介してもらったのは、これまたシンプルかつ抜群の美味しさが光る大人向けの鍋、「シンプルねぎま鍋」。

ネギを切るだけ! 水と料理酒だけ! 6500種以上の鍋を食べ尽くしたプロが教える、簡単&シンプルなのに激ウマ鍋レシピ_2
江戸生まれのさっぱりした味わいの“ねぎま鍋”が家でも簡単に作れる

【材料】(2〜3人前)
水:400ml
酒:大さじ1
醤油:大さじ2
みりん:大さじ1
だし昆布:10cm角1枚
長ネギ:1本
マグロの角切り:200g

【作り方】
長ネギ(1本)を5cmずつくらいに切っておく。次に鍋にだし昆布(10cm角1枚)と水(400ml)、カットした長ネギ(1本)を入れ、火にかける。

その鍋に酒(大さじ1)、醤油(大さじ2)、みりん(大さじ1)を入れて沸騰させたら、マグロの角切り(200g)を投入。マグロが程よく白く色づいてくれば完成。

「鍋って意外と具材を切るのが手間なんですが、このレシピは長ネギしか切りません。江戸っ子っぽい潔さが前面に出たねぎま鍋は、じんわりとした醤油ベースのつゆに、マグロの旨味が染み出し、その味を吸い込んだとろりと甘い長ネギを一口食べれば、その完成度の高さにきっと驚くはず。
マグロのお刺身が安売りしているときなどに作ってみてはいかがでしょうか」