#2 『M-1』で生まれたスターを、番組の顔に―はこちらから

関西芸人が憧れるバラエティ「ナイトinナイト」とは

M-1グランプリ、キングオブコント、THE W……2000年代初頭から始まった、テレビ局が主催(または共催)する「賞レース」への注目度は、2020年代に入ってからますます高まっている。お笑い芸人にとって、王者になること、もしくは決勝へ進出することはひとつのステータスになり、その後の躍進が約束される言っても過言ではない。一方で、YouTubeやTikTokなど、スマホ世代をターゲットにした複数の視聴メディアが台頭したことにより、テレビを通さずとも人気を獲得・維持している芸人が多数存在しているのも事実だ。

そんな「賞レース」とテレビ以外のメディアにスポットが集まる中で、“テレビ発の、芸人主体のバラエティ番組”というスタイルを守り続け、関西で長年、親しまれている番組枠がある。ABCテレビが夜11時台に制作・放送している「ナイトinナイト」である。

「この枠がダメになれば終わり」――『M-1』制作局ABCテレビが『M-1』よりも大事にしている“深夜バラエティ”とは?_1
「ナイトinナイト」のロゴ。各番組に共通して使われる
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1980年代に、月~木の帯番組として始動した「ナイトinナイト」。やがて各番組が独立して制作されるようになり、『クイズ!紳助くん』(94~11)や、『八方の楽屋ニュース』(86~98)、『ナンバ壱番館』(99~04)などの人気番組を生み出した。ちなみに、1988年にスタートし、現在も放送されている名物バラエティ『探偵!ナイトスクープ』は、開始当初から長らく「ナイトinナイト」枠ではなかったものの、2016年に合流。現在は月~金の5番組が同枠で放送されている。

「この枠がダメになれば終わり」――『M-1』制作局ABCテレビが『M-1』よりも大事にしている“深夜バラエティ”とは?_2
【ナイトinナイト番組紹介①】『探偵!ナイトスクープ』(毎週金曜)/「ナイトinナイト」枠というよりも、関西ローカルバラエティの中で怪物的な人気を誇る長寿番組。視聴者の疑問や解決してもらいたい悩みを、探偵たちが調査・解決していく。2019年11月末、西田敏行の勇退に伴い、松本人志(ダウンタウン)が局長を引き継いだ。ちなみにナイトスクープのナイトは騎士を意味する「knight」

現在、放送されている番組は、『なるみ・岡村の過ぎるTV』(月曜日)、『相席食堂』(火曜日)、『やすとものいたって真剣です』(木曜日)、『探偵!ナイトスクープ』(金曜日)に、この11月からスタートしたかまいたちがホストを務める『これ余談なんですけど・・・』(水曜日)を加えた5番組。関西ローカルでありながら、吉本興業が誇る第一線の芸人たちが勢ぞろいしていることからも、力の入れようがうかがえる。