有名プロデューサーが全面支援

K-POPに関心のある人であれば、ここ数か月の間に「NewJeans(ニュージーンズ)」という女性5人組の名前をよく耳にしただろう。

日本の音楽ファンの間でK-POPのガールズグループと言えば、『第73回NHK紅白歌合戦』の出場が決まったLE SSERAFIM(宮脇咲良が所属)やIVEなどに目が行きがちだが、韓国ではNewJeansはそれ以上の大物と評価する関係者も多い。

今年8月に韓国でデビューしたばかりだが、4曲入りの1st EP『New Jeans』が発売後1週間で31万枚以上を売り上げ、各種チャートで何週間も1位を獲得。新人とは思えないほどの活躍ぶりで、国内はもちろん海外でも大きな注目を集めている。

では、なぜ彼女たちがこれほどまでに短期間でブレイクしたのか?

その理由として真っ先にあげられるのが、K-POP界隈ではかなり有名な女性クリエイティブ&アートディレクター、ミン・ヒジンが関わっている点である。彼女はかつて大手芸能事務所のSMエンターテインメント(以下、SM)に所属し、SHINee、f(x)、少女時代、EXO、Red Velvetといった数多くのビッグネームを独自のセンスで磨き上げてきた。

その“独自のセンス”とは、たとえば、古いアニメーションと最新のCGを組み合わせたり、ピントの合っていない写真をアルバムジャケットに使ったり、コラージュを駆使して幻想的な光景を生み出したりというもの。
こうした実験的で斬新なアプローチは、ステレオタイプになりがちなアイドルに強烈な個性を与えるための手段だったと言えよう。

そんな実績を持つ彼女が2017年、「やりたい仕事はすべてやった」とSMを退社。しばらくしてBTSが所属する事務所・Big Hitエンターテインメント(現在の社名はHYBE)に移り、同社傘下のレーベルとして2021年にADORを起ち上げる。NewJeansはそこから登場した全面バックアップのグループであるがゆえに、大きな話題となったわけだ。