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「キレイゴトちゃうねん。“売名行為でしょ”って言われたこともあるけど」

ラッパー・SHINGO★西成
ラッパー・SHINGO★西成
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2007年に活動開始した、西成の保育園や児童施設にクリスマスケーキを配り歩く活動。最初はたった一人で始めた。そこから2014年に出資メンバーが集って「SHINGO★西成と100人のサンタ」というプロジェクトに生まれ変わり、一人1000円の参加費でサンタを募り西成地区にある4つの施設にホールケーキを届けるようになる。

ケーキを届ける活動を始めたきっかけは同年代のラッパー、TERRY THE AKI-06の死だった。 写真提供/Shingo★西成
ケーキを届ける活動を始めたきっかけは同年代のラッパー、TERRY THE AKI-06の死だった。 写真提供/Shingo★西成

「喧嘩するくらい仲がよかったTERRY(ラッパーのTERRY THE AKI-06)が2007年8月に亡くなって。昨日まで一緒にいた仲間とある日突然、もう二度と会えなくなる経験が初めてだったんで、その寂しさ、喪失感を何か行動で埋めたかった。人がいなくなった寂しさを、人から喜ばれる行動に変えたかった。
それでちょうど、俺自身もお世話になった西成の児童施設『こどもの里』で出会った女の子が“丸いホールケーキを切ったことがない”って言ってたのを聞いて、俺もひとりっ子でガキのころ、ワンホールのケーキに憧れてたから、誰の子どもとか関係なく、目の前の子どもを笑顔にしたい思いから、この活動を始めました」

初めた当初は自分のギャラから持ち出しでやっていた
初めた当初は自分のギャラから持ち出しでやっていた

「当時の俺のギャラなんて1回のライブで5000円とかで、出ても2万円とか。それで5万円出してケーキ買うのはとても大きかったですよ。キレイゴトちゃうねん。人から“それ、売名行為でしょ”って言われたこともあるけど、そんなん考えたこともない。俺が通った保育園にケーキ届けるの、俺がやらなきゃ誰がやるって気持ちだった」

ときには前日のライブの打ち上げが終わってから、その足でケーキを届けたこともある。

「ライブでお客さんを最高潮にまで盛り上げて、現実に戻ってこの活動を続けてきた。それも情熱ひとつです。『いまできるコトを、いまできるヒトが』の精神で地元でやってる」