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ビジネス 2022.05.19

「お金がなくて」19万円で買ったトヨタ中古車が30倍以上の値に⁉︎ 超高騰中の“ネオクラシックカー”の魅力と落とし穴(後編)

この30年間、デフレにあえいでいた日本で、バブル現象が起こっている市場がある。国産の旧車のマーケットだ。10年ほど前から価格が右上がりで、ここ数年の間には価格が2〜3倍になるモデルも珍しくない。なかでも特に高騰している1980〜90年代に製造された“ネオクラシック”と呼ばれるスポーツカーである。いったい何が起こっているのだろうか?

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国産旧車ルポ
「旧車狂想曲」後編

お金がなくて買った安い国産中古車が……

近年、価格が急騰している1980〜90年代製造のネオクラシック世代のクルマを購入した男性の話を紹介しよう。栃木県内に住む塚田拓哉さんは2005年、わずか19万円で走行距離13万kmのトヨタの1991年型スープラ(A70型)2.5GTツインターボリミテッドを購入した。

A70型の後続モデルであるA80型(1993〜2002年販売)は映画『ワイルド・スピード』で主人公が乗っていたこともあって世界中で人気に。海外のオークションでは昨年、『ワイルド・スピード』に登場した実車が約6000万円で取り引きされたことがニュースになった。それに比べれば、1986年発売のA70型はまだ高騰していないが、5年ほど前からじわじわと値を上げ、中古車市場では600万以上の値札をつけている個体もある。

1991年型スープラ(A70型)2.5GTツインターボリミテッドを所有する塚田拓哉さん。日本最大級の旧車イベント「スタルジック2デイズ 2022」にて

最高出力は280馬力。30年以上前のクルマだがきれいに維持されている

「19歳で免許を取った後に初めて購入したのが、このスープラでした。当時はお金がなかったですし、安い車を買って、2年ぐらいマニュアル車の練習をしようと思っていました。それで中古車屋をいろいろと回って、デジタルメーターに魅かれて、最終的にスープラに決めました。

僕の乗る2.5GTリミテッドの底値は2003年くらいで、その頃は10万円程度だったはず。A70型の2リッターモデルは今でこそ200万円オーバーになっていますが、当時の仲間内ではタダでもいいから持っていっていいよ、という世界でした(笑)。2.5GTリミテッドは僕にとって初めて買ったクルマで、普通に通勤で乗ったり、スノーボードに行ったり、友達と遊んだり……いろいろな思い出があります。それが気がついたら、いつの間にかすごい価格になっていたというのが正直な気持ちです」

それでも5~6年前までは100万円台で塚田さんと同じモデルの中古車を購入できた。実際、塚田さんは部品取り用として状態の悪かった2.5GTリミテッドを50万円台で購入し、旧車ショップのスタッフと共にメンテナンスを続けてきたという。しかし現在は価格が高騰。「今では部品取り用としてスープラを買うのは、普通のサラリーマンの僕には不可能です」と話していた。

「僕はこのクルマに一生乗ろうとは思っていないです。やっぱりメンテナンスにお金と時間がかかりますからね。とりあえず無理しないで乗れるところまでは頑張ろうかなと思っていますが、もう入手できない純正部品がありますので、今はなるべく乗らないようにしています。実は普段は地元で軽自動車に乗っているんですよ。スープラは天気のいい日にたまに乗るくらい。今の僕にとって、このスープラは盆栽のようなものです。時々手を入れて、見て楽しむ感じですね(笑)」

旧車ブームに乗じた悪徳業者に注意

前編で触れたように、旧車が人気を集めるのは投機目的という側面は確かに大きいが、それだけが理由ではない。今のクルマにはない魅力があるのは確かだからだ。老舗旧車ショップの「スピードショップクボ」(東京都足立区)代表の久保亨さんは、旧車の人気の理由をこう分析している。

「現在のクルマは安全や環境に関する基準がすごく厳しいので、どの国のクルマも似たようなものになってきています。その点、1990年代くらいまでのクルマはすごく個性的なデザインが多いです。あと古いクルマはコンピュータがそんなに入っていないので、自分でいじれる部分が多いし、運転している感もしっかりとある。エンジン音やガソリンの匂いがするとか、そういう部分にもワクワクしますよね」

「スピードショップクボ」の久保亨代表

実際、久保さんのショップでも年配者だけでなく、クルマ離れが進んでいると言われる若者のお客さんも増えているように感じるという。ただ、軽い気持ちで古いクルマに手を出すと、痛い目を見る可能性も少なからずある。久保さんが注意を促す。

「これだけ旧車やネオクラシックの価格が高騰しているので、お金儲けが目当てで、クルマに詳しくない業者もどんどん参入しています。だからきちんと整備されていないクルマがあるのは事実です。外側だけきれいで、中を見たらガムテープで止めていて、『えっ!』と驚いたこともあります。

旧車を購入する際は、ショップに足を運んで、実物を見て、触ってみることが大事です。できれば古いクルマに詳しい人や信頼できる専門店の方と一緒に行ってほしい。とにかくほしい!という気持ちで行くと、どんなクルマでもよく見えてしまう。誰かブレーキをかけてくれる人が絶対に必要だと思います。変なモノをつかまされたら、購入後に修理代にお金がかかって、何十万円、下手したら何百万円も損するかもしれませんから」

日本では旧車を所有し、維持するのは想像以上に大変だ。古いクルマほど自動車税などの税金は高く、製造元のディーラーに持ち込むと嫌な顔をされるケースが少なくない。そもそも修理部品が廃盤になっている場合もある。快適な旧車生活を送るためには古いクルマに対する深い知識と情報ネットワークを持つ、専門店を見つけることが必須条件と言っていいだろう。

旧車ビジネスに乗り出す正規ディーラー

その一方で、昨今の旧車人気によって状況が変わってきている。トヨタやニッサンなどの自動車メーカーの正規ディーラーが、旧車の修理やレストア(修復)事業に乗り出しているのだ。ネッツトヨタ富山の渡邊謙太郎さんに話を聞いた。

「うちはGRガレージ富山新庄の店舗も運営しており、新車のGRヤリスやGR86を販売しているのですが、GRガレージにレストアピットを併設していて、旧車の部分修理やフルレストアもしています。そういうことはこれまでディーラーではしていませんでした。

でもうちでは20年近く、お客さんの古いクルマの面倒を見ていましたので、一回本格的にやってみようと思ったんです。あと定年退職を控えるエンジニアがいて、古いクルマの技術や経験を生かさないのはもったいないというのもありました。それで旧車のレストアの事業を立ち上げ、経験豊富なエンジニアに大事に作業してもらっています」

ネッツトヨタ富山運営のGRガレージ富山新庄のガレージで約1年かけてレストアされた1972年のセリカ1600GTV。車両は客の持ち込みで、フルレストア費用は約600万円

ネッツトヨタ富山で旧車のビジネスを事業化したのは4年ほど前。トヨタ車だけなく、他社の旧車や輸入車の修理、メンテナンス作業を行いながら、旧車のイベントに出店して「ディーラーでも旧車の面倒を見ます」とのPRを地道に続けてきた。その甲斐もあって、全国から問い合わせがあると渡邊さんは語る。

「トヨタでは、私たちの他に神奈川や関西にも旧車のメンテナンスをしているディーラーがあって、これからも徐々に増えてくるでしょう。トヨタは最近、ランドクルーザーやAE86(1986年発売のカローラレビン/スプリンタートレノ)などの往年の名車の修理部品を再販し始めていますし、旧車ビジネスはますます盛んになってくると思います。

またトヨタはカーボンニュートラルを実現するために水素や電気自動車などの開発を進めていますが、古いクルマにもすごく興味があるようです。よくトヨタ関係の人を旧車のイベント会場でも見かけます。それに何と言っても豊田章男社長はガソリン臭いクルマが好きだと言っていますからね(笑)」

ヨーロッパでは多くの自動車メーカーが自社の古いクルマのパーツ修理やレストア事業を行っているが、日本のメーカーも遅まきながら旧車ビジネスに乗り出そうとしている。国内での新車販売台数は3年連続で前年割れが続く中、旧車での商売は自動車メーカーやディーラーにとって大きなチャンスだ。

今後、修理部品の再販を進めてラインナップを拡充し、全国のディーラーを巻き込んで旧車をメンテナンス・修理できる体制を整えられれば、旧車のマーケットはさらに活性化するだろう。もしかしたら旧車やネオクラシックカーの価格高騰は始まったばかりなのかもしれない。

終わり 前編を読む>>

取材・文/川原田 剛
撮影/五十嵐和博
取材協力/旧車イベント「スタルジック2デイズ 2022」

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川原田 剛

かわらだ つよし

フリーライター

1991年からF1専門誌で編集者として働き始め、その後フリーランスのライターとして独立。一般誌やスポーツ専門誌にモータースポーツの記事を執筆。現在は『週刊プレイボーイ』で連載「堂本光一 コンマ1秒の恍惚」を担当。スポーツ総合雑誌『webスポルティーバ』を始め、さまざまな媒体でスポーツやエンターテイメントの世界で活躍する人物のインタビュー記事を手掛けている。

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