若い選手の経験が大きな収穫

たしかに目標の表彰台には届かず悔しさは大きかったかもしれない。だが、来年度、再来年度を見据えれば、明るい材料も多かった大会だった。

勝負のオーダーを組みながらも、次年度以降を見据え、育成も考慮しなければいけないのが学生スポーツの難しさでもあり、醍醐味でもある。

まずは、多くの若い選手が箱根駅伝を経験できたことが、大きな収穫だった。

今回は、上原琉翔、青木瑠郁、高山豪起の3人の1年生が箱根路を駆けた。

学生駅伝デビュー戦となった上原は7区6位と好走し、チームを4位から3位へと押し上げた。

「僕ら1年生は、中西さんを目標にして、青木を先頭に、切磋琢磨しながら1年間頑張ってきました。『柱』と呼ばれるにはまだまだ力が及ばないんですけど、4年生が抜ける穴をしっかり埋められるように力をつけたい。

昨年のトラックシーズンは故障続きで試合に出られなかったので、今年はトラックシーズンから結果を残し、1年間強化して、箱根で優勝を狙えるように頑張りたいと思います」

上原はそう話し、ルーキーながら主力としての自覚は十分。箱根での活躍をステップにさらなる飛躍を誓っている。

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7区で好走した1年の上原琉翔(写真中央) 撮影/北川直樹
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一方で、全日本5区区間賞の青木は、終盤の叩き合いで振るい落とされ、1区12位と苦戦した。上尾シティハーフマラソンで1時間2分台と好走した高山も、8区13位と力を発揮できなかった。

「やっぱり1年生。箱根は独特な雰囲気がありますからね」と指揮官が言うように、決して3人とも満足のいく結果を残せたわけではない。

それでも、1年目からこの大舞台を経験できたことは、必ずや来年度以降の大きな糧となるはずだ。