極寒全裸サッカー、70代の双子のお婆さんとも…
でもあの頃は楽しかった

――撮影1本あたりの拘束時間はどうですか?

拘束時間は減ったかもしれません。もう無理しないし、台本通りに進めるし、だから時間通りに進むことが多いですね。契約書にも時間が書いてあるんですよ。だから時間も読めるし、撮影場所も1ヶ月前に知れる。なんだったら今まで人権もロクになかったような男優も台本や香盤表を渡されるというメリットもあります。

――なぜ香盤表が渡されなかったんですか?

香盤表を渡すと男優が逃げちゃうかもしれないから(笑)。だって、これまでには現場に行ったら、『70代の双子のお婆ちゃん“イネさん”と“ヨネさん”』がいた……なんてことがありましたから。僕は、お婆ちゃんたちとスルのは、『どんなセックスするんだろう』と期待とワクワクしかなかったですが、人によってはプレッシャーとハラハラしかない人もいるかもしれません。

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70代との撮影も「ワクワクしていた」と話すしみけん

――……。色々な現場があるんですね。今までで1番過酷だった現場ってなんでした?

極寒の現場ですね。山奥で寒い中、腰を振らされた『全裸でサッカー』が1番キツかった。晩秋の山で朝方3時4時から全裸でサッカー。寒いから、勃たない。やっと勃っても寒いから動きが速くなるんですよ。腰動かしてる方があったかくなるから(笑)。寒さよりはマシですが、暑いのもキツかった。昔、砂漠の真ん中でゴルフをやりながらキャディさんとプレイするっていう作品がありましたね。ADさんが熱中症になって倒れてました……。

――地上派のテレビと同じで電波少年的な体当たり企画が流行ってたんですね。

大変だったけど、ムチャクチャなことにも真剣にとりくんでいたから皆、『あの頃は楽しかった』って言っています。今の時代じゃできないことばかりですから(笑)。昔は汗かくまで腰振らされたのに、今は『無理はさせられないから、霧吹きでシュッシュッ』みたいな……。
それは居心地はいいんだけども面白みがなくなってくる。AVの醍醐味である非日常感がなくなってくるというか、予定調和になっている。汗とか息づかいとかやっぱ時間をかけないと撮れないものって出てくると思うんです。これが昭和の感覚だと言われちゃうんですけど、もう少しどうにかならないでしょうか……。

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常に、アダルトビデオ業界と真剣に向き合ってきたカリスマセクシー男優・しみけん。彼がプライドをもって出演するAVには、今後、どんな未来が待ち受けているのだろうか。(文中敬称略)


取材・文/中山美里 集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/Soichiro Koriyama

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