ゲームレーベルを設立! ジャンルや方法にとらわれず物語を届ける
ーーオンライン演劇から枠を広げ、2021年12月には“ストーリーゲーム”レーベル『POLARIS(ポラリス)』を立ち上げたとお伺いしています。
林 もともとオンライン演劇で集まってきた僕らですが、演劇に限らず次の時代で求められていることに挑戦しています。マーダーミステリー(※)を取り上げたのは、物語にこだわって作ってきた僕らなら、できるんじゃないかと思ったからです。
(※)マーダーミステリー…プレイヤーそれぞれが物語のキャラクターになりきって会話をしながら、ミッションの達成を目指す推理型ゲーム。
広屋 『POLARIS』のPの形をしたパッケージのインパクトもあり「ゲームマーケット2021秋」に出展した際には多くの方から興味を持ってもらえました。マーダーミステリー自体、今、まさに広がりつつあるジャンルなので、コアな層だけでなく、より多くの方に良いと思ってもらえたらなと思っています。これから時代が変わって気軽に人と会えるようになった時に、出会いを促進できるゲームとして『POLARIS』があったらうれしいです。
林 現状、コアファンを中心に盛り上がっているマーダーミステリーですが、初心者の方にとっては「気になるけど、難しそう」と始めづらいのも事実です。だからこそ、コアじゃない僕らがプレイして感じた難しさを払拭するような、箱を開けたら誰でも楽しめるよう、設計にはこだわっています。『POLARIS』の作品は、1回もマーダーミステリーをやったことがない人にこそ、やってほしいです。
ーー最後に皆さんが描いている未来、ノーミーツの今後の展望を教えてください。
小御門 2年前からオンラインを使った作品作りをしていて、毎度制約はたくさんあったものの、新しい制約、条件下でしか生まれない物語を作ってくることができました。これからもそこでしか出会えない人と、そこでしか作れないものを作り続けていきたいです。また、もともと演劇をやっていた人間としては、劇場という自分が大好きな空間での公演もやりたいと考えており、オンラインと実際の劇場、両輪で作品に携わっていきたいです。
林 僕は今まで以上に新規事業領域を開拓していけたらなと考えています。まずは『POLARIS』を、どうやって展開していくか。この2年間で世間に「ノーミーツ」や「オンライン演劇」を知っていただけたようなインパクトを与えられたらなと思っています。また「ノーミーツ」を始める前から、ずっとやっていた映画の領域でも挑戦していきたいです。
広屋 「劇団ノーミーツ」として立ち上がった僕らですが、2021年に演劇だけに限らず物語をつくり、届けることに挑戦していきたいという意志で「ストーリーレーベル“ノーミーツ”」としてリブランディングしました。
広屋 オンライン演劇や『POLARIS』以外にも、物語の届け方、作り方はまだまだあると思っているので、いろんな方を巻き込みながら、チャレンジを続けていきたいです。
取材・文・撮影/於ありさ