自分に合わなければ戻ればいい

失敗したらどうしよう、と事前に悩んでしまう人に最適なアドバイスはこうだ。「その土地が自分に合わなければ、元の場所へ戻るべし」。ただそれだけ。

知らない土地に住むことイコール、未知の出来事に次々と出合うこと。だから事前にネガティブ要因をすべて予見することなんてできないし、理想の土地だと思っていても現実は違った、なんてことも多分に起こる。

そんな状況に陥るのが嫌だから移住はあきらめようと考えるのも悪くはないかもしれない。だが、そもそも移住を考えたのは、生き方や暮らしを変えたいということだったはずだ。そしてその変化が幸福につながるだろうと期待したからこそ、移住を人生の選択肢に挙げたのではないか。

ならばとにかく行動するのが吉である。自分に合わなければまた元に戻ればいい、と考えることができれば、移住への精神的なハードルは一気に低くなる。

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東京都内ではあるが、浅草から奥多摩(都心へ電車で約2時間の山奥)へ移住した筆者もそんな心構えで行動を起こした。だからこそわずかに「戻る」という選択を意識しながら、家は購入せず賃貸にしておくことや、出費を最小限に抑えることを心がけた。

「戻ればいい」と考えておくだけで、移住後に多少ネガティブ要因が見つかっても気分は楽だ。元に戻る可能性も低くないと感じているなら、目当ての移住先にまずは長期滞在してみて感覚を確認するのも有効だ。

より慎重に検討したいなら、1年ほどの猶予を見て春夏秋冬それぞれの季節で1、2週間、目当ての移住先にお試しステイしてみると、より未来のライフスタイルが予見できるだろう。ステイしている間は、生活する上で利用するであろう学校や病院、スーパー、レジャー施設などをチェックしたり、地元住民と会話を重ねるのも参考になるはずだ。