「人生死んでしまいたいたいときには下をみろ、俺がいる」
――救急隊の方が家族に「倒れた場所」を隠してくれたのは実話ですか?
そうですね。地元ではなくすすきので倒れたことが幸運だったみたいで、救急隊の方が札幌にある日本でも指折りの脳外科の専門病院に搬送してくれたんです。それで、母が救急隊の方にお礼を言いたいと電話をしたんですが、そこでごにょっとごまかしてくれたみたいで。
風俗店で倒れたことを知っていた弟も「もういいんじゃない?」って母の追求を打ち切ろうとしてくれてたんですが、そのときに母親は「これ、なにかあるな」って勘付いたみたいです(笑)
――『くも漫。』は、そんな笑えるシーンのほかにも、家族愛や闘病記録など読み手によってさまざまな受け取り方ができる作品だと思います。作者としては、どんなふうに届けたいと思っていたのでしょうか?
僕の好きな言葉に、村西とおるの「人生死んでしまいたいたいときには下をみろ、俺がいる」という名言があるんですが、まさにその感じで読んでもらえたらいいなと思っていました。この作者よりもまだ自分の方がマシだと思ってもらえれば(笑)。
あとは、やっぱり人間いつ死ぬかわからないから好きなことや、やりたいことをどんどんやっていこうよってところは言いたかったですね。最近は本当に暗い話題が多いなと思うので、ぜひこのタイミングで『くも漫。』を読んで元気になってもらえたらうれしいです。
取材・文/森野広明 漫画/中川学
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